ブッダに学ぶ資金調達術

私は今まで、起業家として、そしてベンチャーキャピタリストとして資金集めをしてきましたが、確信を持って言えることが一つあるとすれば、それは資金調達が決して楽しいものではなく、ただただ必要不可欠である、ということです。

資金調達を行おうとする際に、直面する困難は二つあります。出資を求められた者は、身構えて断る理由を探そうとします。あなたがフラストレーションを感じていたり少しでも自信を失っていたり、ましてや絶望感を抱いていることを察知してしまった日には、それはもう負け戦も同然です。そして残念ながら、彼らはノーと言う場合がほとんどであり、たてつづけに断られる方も精神的ダメージが大きく、拒絶→フラストレーション→拒絶の悪循環に陥ってしまいがちです。

しかし、そのような状況に決して陥ってはなりません。冷静さを失うと、説得力までもが失われ、前述したすべての要素が表面化してしまうからです。あなたの精神状態は、プレゼンテーションの方法、声のトーン、さらには思考法にまで影響してしまいます。強い精神力がなければいかなる戦術も台無しになってしまうのです。強い気持ちを持ち続けるよう心がけましょう。

とはいえ、それは口で言うほど簡単なことではありません。私は信心深くありませんが、仏教でいうところの欲望と苦しみに関する教えはなかなか参考になると思います。要するに、苦しみの原因は不幸にあるのではなく欲望にある、というのがその教えなのです。

プラスまたはマイナスの出来事を経験したときは一喜一憂せずに、ありのままの状況を受け入れましょう。そうすれば、喜びが続いたり悲しみが去ることを望まなくなくなります。たとえ、投資家が出資を口約束してもその場で歓喜に浸ってはならず、また、最後の最後で撤回されても、それを気にすることはありません。

それが現実であり、資金集めの一つのプロセスに過ぎないことを理解しましょう。そのときの状況と自分の感情を分けて考えられるようになれば、前進し続ける勇気が湧いてくるはずです。

(…そして銀行に振込みがあったときこそガッツポーズをしましょう!)

James Riney

Managing Partner & Head, 500 Startups Japan

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