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シリコンバレーのVCからオープンイノベーションを学ぶ、「Corporate Startup Innovation Series in Tokyo」の3つのポイント

嬉しいことに、ここ数年、スタートアップに熱い視線を向ける大企業が増えています。関わり方はパートナーシップ、投資またはM&Aなど様々です。しかしながら、例えアプローチの仕方が違ったとしても、共通してはっきり言えるのは、最近の大企業における最大の関心事がオープンイノベーションであることです。

このような考えから、500 Startupsは同トレンドを支援する活動に鋭意取り組んでまいりました。その一つが、世界中の企業幹部を対象に年に数回、数週間の教育プログラムの開催です。日本からも多くの企業がこうした取り組みに積極的に参加していることを受け、ここ東京でも「Corporate Startup Innovation」セミナーを、みずほ銀行とNEDOの協力を受けて開催することになりました。さらに、神戸市とのプレアクセラレーションプログラムの直後でもあったことから、500 StartupsのUSパートナー数名が来日していたため、彼らが直接、東京でレクチャーを行いました。

セミナーの3つのポイントをここでこっそりお教えしましょう

1). 非テクノロジー企業によるテクノロジー企業の買収が増えている

スタートアップの世界ではここ数年、企業との様々な連携が大幅に増えています。しかし、とりわけ顕著なのは、テクノロジー企業以外の動向が目立っている点です。非テクノロジー企業も同様に積極的に動いており、中には、テクノロジー企業の大規模買収を行っているところさえあります。

例:

  • 2015年2月 – Under ArmourによるMyFitnessPalの買収(4億7500万ドル)
  • 2015年8月 – AdidasによるRuntasticの買収(2億4000万ドル)
  • 2015年11月 – FossilによるMisfitの買収(2億6000万ドル)
  • 2016年2月 – AsicsによるRunkeeperの買収(8500万ドル)
  • 2016年3月 – General MotorsによるCruiseの買収(10億ドル)
  • 2016年7月 – UnileverによるDollar Shave Clubの買収(10億ドル)
  • 2016年8月 – WalmartによるJet.comの買収(30億ドル)

米国の10億ドル+VC-backed企業を買収した企業:テクノロジー 対 非テクノロジー系 2013年から2016年現在

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2). 適応するか、さもなければ衰退を覚悟するか

活発な動向には単純な理由があります – すなわち、大企業はディスラプトを避けようとしているのです。スタートアップの動きが非常に速いことは現実であり、スタートアップ業界との距離が開いてしまうと、大企業は情勢に疎くなり、自らの衰退にさえ気づかない場合があります。Blockbusterは2000年にNetflixを5,000万ドルで買収する機会を見送りました。その10年後に、Blockbusterは倒産し、Netflixの企業価値は200億ドルに上昇しています。一方、FacebookによるInstagramの10億ドルでの買収は異なる顛末を迎えました。当時の人たちは、Zuckerbergをクレイジーだと揶揄しましたが、Instagramのユーザー数は現在5億人を超えています。もし、彼がInstagramを買収していなかったら、Facebookは今頃まったく違う状況にあったかもしれません。

Zuckerbergはその後、WhatsAppを190億ドルで買収していますが、それこそ非常識極まりないことでした。なぜならば、それは当時のFacebookの時価総額の約10%に相当していたからです。しかし、こう考えてはどうでしょう。あなたの会社の10年後の存続を確保するためであれば、あなたは時価総額の何パーセントを使いますか?

テクノロジーによって、世の中はかつてない程のスピードで変化しています。だからこそ、企業は早急に適応するか、さもなくば衰退を覚悟するしかないのです。毎年、会社の時価総額の5%から10%を投資することでBlockbusterの二の舞になることを避けられるのであれば、それは決して多くない額だと思われます。

スタートアップが御社にもたらす価値とは?

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3). 結果に注力せよ

企業は時折、最適化したいと思う結果よりも、ただ何かをすることだけに注力してしまうことがあります。しかしながら、最終的なゴールは、人材、製品または顧客の獲得であるべきであり、これらはすべて、パートナーシップ、投資またはM&Aにより実現可能なことです。とは言え、いずれの戦略にも一長一短があります。リスクは高いかもしれませんが、潜在的インパクトが最も大きいのは買収でしょう。そこで、重要になるのが、1)ディール・フローの確保(十分な数の投資案件が常に持ち込まれるようにしておくこと)、と 2)買収のタイミングになります。実は、ゴール達成に向けて適切なディール・フローがあるか、ということを検討せずに自らアクセラレーターをスタートした企業を多数見てきました。アクセラレーターを運営するために莫大なコストがかかるにも関わらず、その大半が失敗し、例え失敗しなくても、大企業が魅力を感じるまでに成長するには、何年もかかる可能性があるのです。アクセラレーター会社のおよそ5%が成功するかもしれない、、、その後成熟するにはさらに5年かかります、、、と上司に説明するのはなかなか苦しいかもしれません。

アクセラレーターはディール・フローの源になり得るが、決して万能薬ではない

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買収の場合、シリーズBがスイート・スポットであると考えています。大企業の観点からすると、チーム、製品と顧客の三拍子が揃っている上に、企業価値はまだ天文学的数字には達していません。そして、10億ドルの買収を1件ではなく、1億ドルの買収を10件行うことができます(多くの買収が失敗に終わることを念頭に、リスクは分散すべきです!)。起業家の視点からすれば、スタートアップでの試行錯誤が始まってからある程度の時間が経過しています。5年待ち続けても実現するか分からないもっと大きなexitよりも、5000万ドルから1億ドルのexitを確保するほうが魅力的ではないでしょうか。首を縦に振ることなく、高い志を持って頑張り続けることは素晴らしいと思いますが、実際は、ほとんどの起業家が売却を選択し、その結果に満足しているのです。まさにwin-winの関係です。

タイミングは重要 – シリーズBが最適

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戦略毎に異なる要件や結果が伴う

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いかがだったでしょうか?さらに詳細な戦略や具体的な事例をお聞きになりたい場合は、お気軽に500 Startups Japanまでご連絡ください:http://500startups.jp/contact/

500 Startups Japanでは、今後も日本のスタートアップエコシステム構築のために、①投資家教育(VC Unlocked)②起業家教育(Pre-Accelerator)、そして今回のような③オープンイノベーション教育を目的とする様々な活動を行ってまいります。

 

James Riney

Managing Partner & Head, 500 Startups Japan

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