Studypool

米スタートアップの成功事例に学ぶ、資金調達とグロースに必要なこと

学習を支援する、学生と家庭教師のオンラインマーケットプレイス、Studypool。500 Startupsのアクセラレーターのバッチ11期生であり、マーケティングのグロース強化チーム500 Distroとともに成長を加速させている。売上は前月比で25%増加。しかもその9割が広告などの獲得費用をかけていない、オーガニック流入からだというから驚きだ。

彼らは500 Distroの支援を受けていた3ヶ月の間に、サイトのトラフィックを46%、コンバージョン率も18%成長させている。

そこで今回はStudyPool共同創業者のRichard Werbe氏に、資金調達・成長・スタートアップの創業者が知っておくべきことについてインタビューを行った。

 

500 Distroの支援を受けて何をしましたか。

Studypoolは500のデモデイで120万ドルを調達した後、市場が悪い方向へ向かっていたため、すぐに追加で110万ドル調達しました。

その後、500 Distroのチームメンバーである Andrei Marinescu を上司として、3ヶ月半の間一緒に働きました。500 Distroはシードファンドとして投資を行うのに加え、グロースの支援も行っています。

自分と同じステージにある会社をいくつも見てきて、かつそれをはっきりと説明できるような人と共にはたらくということは、現状を打破しうるでしょう。多くの創業者は往々にしてこれを理解しかねています。

 

成長の指標としているものは何ですか。また3ヶ月でどのくらいそれを成長させましたか。

私たちにとっての指標は、売り上げです。

Studypoolは家庭教師の質・エンゲージメントの向上と、学生ユーザーの獲得強化により、売り上げを毎月、継続的に前月比25%成長させました。

 

最大の獲得とは?

Andrei氏や500 Distro Fundと過ごした時間が、非常にシンプルな変化をもたらしました。それこそが最大の獲得物だったといえるでしょう。

私たちは新たに、新しい質問がアップされるとリアルタイムに家庭教師に通知を送れる、SMS機能を追加しまた。すると、家庭教師のアクティビティはそれまでの3倍にもなりました。これまでにはないくらい、明らかな効果を生んだと言えるでしょう。

家庭教師のアクティビティが増加したということは、質の高い家庭教師の意欲が以前より増えていると同時に、これまで以上に生徒とのマッチングがしやすくなったということを示しています。こういったことがより質の高いマーケットプレイスの創造に働いているといえるでしょう。

機能の追加に加えて、私たちはSEOの強化と、オーガニック流入の強化に向けた取り組みを行いました。加えて、コンバージョン率の最適化、メールマーケティングの強化、新規ユーザー登録の促進、アナリティクスの活用、決済システムの向上にもとりかかりました。

 

どのように、グロースと資金調達を同時進行させたのですか。

資金調達の際には、自身のビジョンを知り、1・2文で説明できることが大切です。さらに従来のものや他のサービスと比べてどのような独自性があり、独自性をどのように実現しているのかということも簡潔に述べられる必要があります。

ビジョンと独自性があってはじめて、グロースは成立しうるでしょう。

そしてグロースは会社にとって最も必要不可欠な要素です。大きなビジョンを掲げることは誰にでもできますし、ユニークであることも可能です。一方でグロースはビジョンやユニークさが実際に機能している証拠になります。グロースこそが経営者が描くストーリーを現実のものにしているのです。

さらに数字に関しては、単にランレートが1000万ドルですというような説明をすればいいというわけではありません。どのようにそこに至ったかや、毎月継続的に達成したかということを示す必要があります。
単に月間100%成長を2ヶ月続けて、それを均すというのは、あまり印象的ではありません。一貫して同じ成長率を6ヶ月間ないしは9ヶ月間維持するほうが、前月比100%成長と一度謳うよりもずっといいですし、説得力があるでしょう。これらを示すことにより、投資家に対し、チームがきちんとすべきことを理解していることや成長をコントロールできることを伝えることができます。

以上のことは、Andreiから学んだと言えます。プロセスとしてのグロースの作り方は、一度限りのものではなく、大きな助けになりました。私たちは現在、どのようにグロースに取り掛かり、それをテストするかということにより一層力を注いでいます。

 

プロセスとしてのグロースとはどういう意味ですか?スプレッドシートのことですか?

スプレッドシートとは簡単に言ってしまえば、チームでなにが起こっているか示す単なる書類にすぎません。

私たちのプロセスとはすなわち、グロースの仮説を見つけることでした。そして以下の質問でその仮説は崩れ去ってしまうものでもあります。

– それの効率的なところは何か。

– それに取り組むのにどのくらいの時間がかかるか。

– もしそれが成功したとして、テスト段階でどのようなポテンシャルが期待できるか。またより大きい規模ではどうか。

そして仮説を検証し、スコアをつけます。これは実際には楽しい作業だったりします。

ランキングをつけていると、将来の貢献度の割にあまり時間をとらない仮説があることに気づいたりします。そういったものに高い優先順位をつけることができるでしょう。

また、会社に多大な利益をもたらすことが予想されるが、困難が予想されるものも見つかります。かつてなら全てを保留にして、こういったものを最優先としてきました。しかし、Andreiはあくまでランキングと、体系だって試験を実施することの重要さを我々に教えてくれました。

スピードこそが大切なのです。

 


 

Studypool とは?

学生の質問と、答えを教えられる家庭教師をマッチングする、オンラインマーケットプレイス。難しい問いに詰まることは学ぶ上で重要な過程だが、一方で多くの学生が解けない問いにイライラしたり、学ぶ意欲を失っている。Studypoolはこの問題に取り組み、学習の過程を勧められるよう支援している。

同社は2014年3月に、二人の学生、Richard WerbeとJimmy Zhongによって創業された。多くのスタートアップと同様に、二人は退学しカリフォルニアに移った。(よい子は真似して退学しちゃいけないと言いたいところだが、スタートアップにチャレンジするのもいいかもしれない。)

原文記事

Miyako Yoshizawa

慶應義塾大学看護医療学部4年。ベンチャーキャピタルや外資系証券会社の証券リサーチ部でIT市場のリサーチを経験した後、大学での専門を生かし、ヘルスケアITに注目。米国のヘルステック系スタートアップについて取り上げるサイト「HealthTech News」を2013年に立ち上げる。

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