500 Startups Japanとその投資先DVERSEが考えるVRの未来とは

500 Startups Japan の投資先の一つであるV R制作ソフトウェアを開発するスタートアッ プ、DVERSE(ディヴァース) のCEO沼倉氏と500 Startups Japanのパートナーを務める、James Riney氏と澤山陽平氏にV Rの未来を聞きました。

DVERSE(ディヴァース)が創業したのは、2014年10月。現在は、VR制作ソフトウェア 「 SYMMETRY(シンメトリー)」 を開発しています。

“シンメトリー”は、VR空間の中で誰もが簡単にイメージデザインが出来るヘッドマウントディスプレイ(HMD)用VRコンテンツ制作ツールです。

※シンメトリーとは「対称性」を意味し、ユーザーの頭の中に想い描いたイメージ、アイデアをそのままVR空間に生み出すことが出来るモノ、場所として命名されました。

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人の働き方を変える力がVRにはある

DVERSEが考えるVRの未来とは?

沼倉氏:VRといっても一概には言えませんよね。エンタメなどのコンシューマー向けの商材やビジネス向けなど領域は様々です。今回は、私たちが取り組んでいるビジネス向けVRの未来について、お話したいと思います。

 まずVRは、エンタメよりもビジネス向けの方が浸透が早いんですよね。それは、建築・インテリア・インダストリアルデザインなどにおいて、もともと3Dが広まっているからなんです。エンターテイメントと違って、すでにニーズがあるところから我々は、スタートしています。そういった意味で、エンターテイメント以上にビジネス分野の成長は早いと考えています。

 現在は、主にVR空間内でデザイナーやクリエイターが制作活動を行える”シンメトリー”というツールを開発しています。将来的にVRのデバイスが進化していくにつれて、2D画面やマウスがVRデバイスにリプレイスされていくと考えていて、我々はそのリプレイスされる前の段階にいて、UIやUXを試行錯誤しているところです。

 私達が力を入れているのは非言語型のUIです。今までは、2Dという限られた空間をうまく使うためにプルダウン型が使われていましたが、VR空間は無限と言っても過言ではないほど、広い空間を使えます。そのリッチな空間をストレスなく、操作するためにはどんなUIが良いのか研究開発をしています。将来的には、VRのデファクトになるUIが生まれてくると考えています。そこのポジションを取りたいと思っていますね。

 建設・設計における通常のPC作業よりもVRは、時間を短縮でき、デザインをイメージしやすいため共有の手間が非常に省けるという強みがあります。実際に、設計した空間内で質感や高さを変更するなど、リアルタイムで確認ができるので、クリエイター向けの作業場にあっています。実は、現代でもまだリアルタイムでやっている作業って意外に少ないんです。例えば、チャット・通話・最近ではグーグルDocsなどくらいしかないんですよね。しかし、VRに関してはリアルタイムという時間的概念をクリアにする可能性があります。VR内で同時にアクセスし、作業をする形。

「ネットワークコラボレーション」と我々は読んでいます。例えば、東京とニューヨークで同時にログインをして、VR内でデザインや設計を作成するなど。将来は、ワーキングスタイルやデザイナーがVR内で作業するなど、人の働き方を変える力がVRにはあると思っています。

澤山氏:やはり、物が見れないと完成した時、「あれ、これイメージと違うよね?」的な感じになるけど、VRはすぐその場で実物を確認できるのは、助かるよね。

沼倉氏建築分野は、今までも3Dはあったんですが、パースと呼ばれる状況で、現実にすると違和感があった。図面とVR空間では大きく違和感があり、イメージの共有という問題点がありましたね。

澤山氏:あ、シンメトリーの由来教えてよ。

沼倉氏:そうですね!”シンメトリー”というのは、デザイナー・クリエイター・設計士さんたちが、頭の中で思い描いたものをVR空間の中に、そのまま投影したい。つまり、イメージと直結するものを描けるようにさせたいという思いからなんです。デザイナーがVR空間で自身のデザインを見ること。デザイナーとクライアントがVR内でイメージを共有すること。このどちらもがシンメトリーなんです。

 

VRはB2Bから来る。

500はなぜ投資したのか?

澤山氏:僕とジェームズでは考え方も違うし、沼倉さんにあったタイミングも違うんですよね。実は、結構前から彼のことは知っていて、前の会社時代とか、オキュラスの開発キットで何かしてる人というイメージはありましたね。(笑)でも、DVERSE(ディヴァース)は、以前ピポットしていて、もともとエンタメよりだったよね。

沼倉氏:そうですね、結構コンテンツを作ってましたね。映像とか映画やろうとかしてましたね。

澤山氏:その時代から、沼倉さんの様々なチャレンジを見てきましたね。大企業と組んでなんかしたり、新しいことに挑戦し続けている姿を見てきました。その過程で、ノウハウや技術をためていく姿も見てきましたね。VRが何に使えるんだろうかと色々トライしていく中で、ニーズのある部分を見つけ、今のシンメトリーに行き着き、そこにすべてのリソースをフォーカスしたところが僕の中で決め手となりましたね。VRにおける様々な挑戦をし、遂にVRが解決できる課題を見つけ、それに取り組み始めた今が僕ら500が応援するタイミングなんじゃないかなと感じましたね。

沼倉氏:実は、500さんから投資を受ける前に、他の会社と新規事業に動いていたんですが、全て断りを入れましたね。それくらい、500さんとの可能性を感じましたね。

澤山氏:僕自身、海外に行ったりしてコンテンツ以外に何かないかと探していたということもありましたね。

James氏:実は、沼倉さんは、僕の昔のプロダクトであるSTORYS.JPのお客さんだったんですよね。

沼倉氏STORYS.JPのロンチパーティーとか参加したりしてましたね。(笑)

James氏:私が、昔DeNAにいた時、VRはいずれゲームやエンターテイメントを変えると考えていました。DeNA自体は、コンシューマーサイドをメインにしているので、多くのVRコンテンツを探っていました。VRSEやVRにおけるピクサーのような会社に投資していました。

 でも、その当時は結構ストレスがありましたね。DeNAが投資する領域であるコンシューマー領域は、VRが訴求するにはどのくらいの時間がかかるか不透明であるし、デバイスは高いので、すぐには普及しないしと。今、訴求性のある市場がどれだけあるのだろうかと悶々としてましたね。だから、B2側に興味を持ったんですが、当時はそれができませんでした。沼倉さんにあったりする中で、ようやく自分の関心のある領域まで手を広げられるようになってきました。それが、VRのB2領域であり、沼倉さんが取り組んでいることなんです。

 DVERSE(ディヴァース)は、グローバルカンパニーになれる可能性を秘めているなと感じる点も一つですね。500の強みと目的として、やはりグローバルであるという強み。日本からグローバル企業を生むことを目的として、我々が持っているグローバルなコミュニティーを利用できる。それは、DVERSE(ディヴァース)をグローバル企業にするための大きな利点ですね。そして、素早く取り組んでいけば、この会社は、そうなれると思っています。

 

現在開発中であるシンメトリー。開発中であり、プロダクトがない状 態でなぜ500は、投資を決めたのか?

James氏:まず、この業界が新しく、技術的にハードルが高いという点ですね。つまり、最初の参入障壁が高いというメリットがあるということです。それは、我々がリスクを取れる根拠にもなります。

 また、沼倉さんもおっしゃったように、VRは最初にビジネス向けに広まると考えています。エンタメは、その次。もちろん、エンタメ分野においても、どのようにコンシューマーに対して訴求するかクリアなプランを持っているのであれば、ぜひ話を聞いて行きたいが、まだ聞いていないのが現状ですね。やはり、面白いコンテンツを作るだけじゃなくて、どのようにそれを広めていくかという戦略がないことには、ビジネスにはなりません。

澤山氏:エンタメもいずれは、大きな産業になっていきますが、現状はイメージしにくいところがあります。また、ビジネスの再現性やスケールという面からも難しいですよね。DVERSE(ディヴァース)は、B2Bであり、その課題を見つけていたことやある程度のプロトタイプがあってイメージできたのはよかったですね。

発表後、不動産とか建設とかから色々声がかかってるよね。(笑)

沼倉氏:そうですね、色々きてるんですが、全部断ってるんですよ。今は、開発に集中したいですしね。

James氏:そこは、非常にリスペクトできる点ですよね。今は、浮かれている場合ではなくて、フォーカスするんだと。

沼倉氏:今は、いかにマーケットフィットしていくかを模索しているところですね。

澤山氏:そうですね。今、カスタマーがいて、問題があり、そしてソリューションがある流れの中で、カスタマーがいることはわかった。問題もわかってきた。それをどう解決するかもつかんできたという良い流れではあるよね。

沼倉氏:カスタマーに関しては、うちは結構細分化してますね。デザイナーや設計士が使うプロダクトは全然違うので、それぞれに合うような形にしていきたいと思ってます。設計は、もっと数学的で、デザイナーはその空間に対して何をするか?という視点です。私たちは、どちらといえば、後者ですね。設計は、0-1であり、デザインは、1-100にする作業であり、私たちのプロダクトは、1-100にするところにフィットすると思っています。

 

DVERSE(ディヴァース)はなぜ500 Startup Japanに応募したのか?

沼倉氏 :まず、彼ら二人が好きだからですね。

澤山氏、James氏 :  (笑)

沼倉氏 :なぜかというと、様々な投資家の方々をお会いさせて頂いたんですが、みなさん意外とテクノロジーを知らないんですよね。本当知らない。

一同 : (笑)

dverse-test沼倉氏 : 二人はそういう意味で起業家やエンジニアサイドの視点を持っていたんです。確か一番はじめに話したのは、DeNA時代のジェームズだった気がしますね。その当時はDVERSEもまだ設立したばかりでしたが。

James氏 :そん時、「僕、色々見てきてるけど、It would be hard to impress me」って 言った覚えがあるなー。(笑)そん時は、まだ何もなかったしね。

沼倉氏 :僕らがやろうとしてる建築の分野は、北米・ヨーロッパがメイン市場なんですよね。その 時、海外ときちんとしたコミュケーションとパイプを持っている投資家は少ないけれど、500はもともとアメリカ発であるからこそ、海外とのパイプが強く、独自のコミュニティーと文化がある。それは、僕らが海外進出する時大きな力になってくれると思いましたね。

投資家と起業家は、対等で、お互いに協力しあうべきだと僕は思うんですね。そして、VRのような新しいチャレンジするときは、仲間が必要であり、500は仲間として最適であったということ ですね。

 

VRは、人とPCのインターフェースを変える

500が考えるVRの未来とは?

澤山氏:VRは、人とPCのインターフェースを変える、そこに未来があると思っています。マウスーやキーボードが生まれ、PCを操作するというUIが、仮想空間の中で操作するというUIに変わっていく流れは、僕は一番ワクワクしてますね。

James氏:VRにおけるB2Bやエンタメ参入は、タイミングの問題ですよね。ただ、コンシュマー向けは、少し早すぎると感じています。しかし、この二つのことは話しておきたいですね。

 1つは、クリアプランが、あればいけるということ。先ほども述べたように、コンシューマー向けにどのような戦略を打つべきかをクリアに説明できれば、ぜひ話を聞いてみたいということ。2つは、VRのクリエティブな使い方をみたいということですね。VR自体がクリエティビティを高める装置として機能しますが、それをさらにクリエティブに使用する方法を知りたいとは思っています。

VRの可能性を広げるスタートアップには、どんどん会っていきたいと思ってますね。


VRの未来について、両社の意見をまとめると

  1. 人の働き方を変える力がVRにはある
  2. VRはB2Bから来る。
  3. VRは、人とPCのインターフェースを変える

VRは、今年VR元年と言われる市場です。今後の未来は、VRに取り組む起業家・投資家・ユー ザーの三者が、それぞれの思惑を持って市場を動かしていくのではないでしょうか?

 

DVERSE(ディヴァース)は、現在鋭意採用に向け取り組んでいます。VRという新しいテク ノロジーの可能性を感じ、その技術がある方を彼らは、募集しています。ぜひ、ご興味のある 方は、 こちらから応募してください!

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さらに詳しく500 Startups JapanのVRに関する取り組み・考えを知りたい方は、 オフィスア ワー へ。Linkは こちら

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