Elizabeth Yin

返信をくれない投資家に、催促する際の4つのポイント

この記事は、500 Startupsのパートナーを務める、Elizabeth Yinのブログを翻訳したものです。彼女はコーディングやマーケティングを専門としています。投資を始める以前は、共同創業者としてアドテクのスタートアップ、LaunchBit (2014売却)を立ち上げました。資金調達とは不透明なことが多いプロセスで、Elizabeth氏はこれを明らかにしていくことを目指しています。ぜひ彼女のニュースレターをフォローし、資金調達に関する秘訣やコツを学んでください!

>>前回記事『VCとのミーティングが上手くいったと感じるのは、上手くいっていない証拠である』<<


次のようなメールを投資家に送ったことはありませんか?

(投資家名)様

先週は弊社についてお話させていただくお時間いただき、ありがとうございました。
お話しした通り、御社の投資検討会議でどのように話が進んでいらっしゃるのか、教えていただけると幸いです。

よろしくお願いいたします。
(起業家名)

その後、信じられないことに、この投資家から返事はありません。ではどうすればよいのでしょうか?

私も起業家だった頃は、まだフォローアップの要点をきちんと理解していたわけではありませんでした。そして時々、ブラックホールにメールを送ってしまったかのような気持ちになっていたのです。何か怒らせてしまっただろうか、嫌われているのだろうか?もしもし?誰かいませんか?とやきもきしたものです。

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今私は投資家側にいます。少なくとも私に届いているメールの場合に、何が起きているのかご説明しましょう。

私は起業家であるあなたと面会した後、「検討します」もしくは、「ディールについて協議します」か、「◯日までに次ステップとして、◯◯が必要です」と答えたとします。そしてすぐに、次の起業家とのミーティングへと向かいます。(投資しないことを決めて)話を終わらせるか、そこでも前のミーティングと同じ言葉を言い、また次のミーティングへ行きます。実際にはそれどころか、一週間のほとんどをミーティングに費やしています。起業家に指定した◯日までに実際にフォローアップをしようとしても、必然的に手に負えないほどの約束をしてしまっているのです。それでも、あなたのことは頭の片隅にはあります。しかし、また大量のミーティングへとすぐに向かわなければならず、腰を据えて、考えたり行動したりする時間はありません。あなたとしては納得いかないかもしれませんが、私としては何も新たに連絡することがなかったのでしなかったというだけなのです。そこで、時間が重要な鍵を握っていると気づきました。そしてあなたが催促のメールをくれて、再び優先事項として思い出しますが、取り掛かっていないミーティングがまだ残っています。 2~300ものメールがあなたからのメールの上に表示され、また頭の片隅にいってしまうのです。さらにその後、アップデートとともに再度メールをくれると、また思い出す、というのを繰り返してしまうのです。

これは明らかに私が悪いでしょう。そして多くのVCがしていることでもあると思います。この行為を正当化するわけではなく、正しくない行為ですから投資家はこのような態度を改めなければいけません。しかし、実際に何が起きているのか、どのようにこれに対応するべきなのかを示したいと思います。

1) 連絡しつづけよ – しつこくしよう

フォローアップすることを恐れてはいけません。私自身も投資家を困らせ、苛立たせてしまっているのではないかと考えたものです。しかし、投資家側になってみると、単に大量のメールが届くようになり、たとえ3回連絡されても気が付かなくなっただけなのです。

フォローアップの際のポイント:

  • フォローアップすると事前に伝えておき、決めていたタイミングで送る
    返信がなければ、一週間以内にフォローアップする(3~4日後が理想)
  • それでも返信がなければ、再度3~4日後に連絡する
  • CTA(Call To Action:行動喚起。相手にして欲しいこと)を含める。あなたが自分の事業話だけを伝えて、受け手にしてほしいことを含めないのなら、受け手はあなたが何をしてほしいか分かりませんから、おそらく返信はないでしょう
  • もしアメリカの投資家にメールを書いているなら、遠回しにせず、単刀直入に聞くのがベストです。なぜなら受け手は忙しく、あなたが何を望んでいるのか把握するのに時間を取られたくないのです。シードの資金調達のためにミーティングをお願いしたいのか、それとも他のことをお願いしたいのかきちんと示しましょう。
  • 言うまでもなく、失礼な態度はやめましょう。「おい、いい加減返事しろ」と言っても意味はありません。丁寧にかつ直球で連絡しましょう。
  • 実際のところ、まだ返信がないということさえも言う必要はありません。返信がなかったと書くことで、とても必死に見えてしまいます。ですから、そもそも投資家はまだメールを受け取ったことがない、というように装いましょう。そして実際にそうであることも時々あります。

正直なところ、私は駆け出しの起業家だった頃、フォローアップがとても苦手でした。 投資家のブラックホールのようなメールボックスへ連絡を送り続けることを恐れていたのです。あなたももしそう感じているのなら、私のサイドプロジェクトである、 Rejectionathonというイベントが助けになるでしょう。 Rejectionathonはサンフランシスコとニューヨークで開催されるイベントで、起業家が拒絶される恐れに対し、鈍感になり、克服できるよう支援しています。

あきらめずに頑張りましょう!

penguine

Originally posted by catalystinc

2) 複数の連絡手段を試してみよう

メールで投資家が捕まらない場合、違う連絡手段を試すといいでしょう。ほとんど全ての投資家は、メールや電話、Facebook、Snapchatといった複数のプラットフォームを利用しています。これら全てを試しましょう。実際には、メールが最も飽和状態にある手段ですから、そこで注目を集めるのは難しいかもしれません。しかし、別のプラットフォームで投資家と友達になっているのなら、そこで連絡してみると連絡が来やすいかもしれません。迷った時は、 古きよき電話という手段もあります。

3)投資家のアシスタントへ親切にし、助けてもらおう

投資家のアシスタントにきちんと敬意を持って接するべきということは、言うまでもありません。しかし、さらに一歩進めて、フレンドリーに接すると良いでしょう。投資家のアシスタントは実際、社内でも最も影響力がある人です。投資家は自分たちのカレンダーを完全には把握していませんが、アシスタントは投資家のスケジュールを管理しています。また彼らは投資家を説得し、他のミーティングより優先してあなたのアポを入れることもできるのです。

4) 緊急性があることを示す

最後に、あなたの状況に緊急性をもたせましょう。資金調達のために投資家と連絡を取ろうとしているのであれば、緊急性をアピールすることは良い手段でしょう。もしあなたの資金調達ラウンドが明日クローズすると聞けば、投資家はあなたのことを最優先事項にするからです。ここでの懸念は信ぴょう性です。実際には違うのに、一週間以内に資金調達ラウンドをクローズすると言ってはいけません。起業家がしがちな大きな間違いは、「私たちの資金調達ラウンドは来週にもクローズしますし、たくさんの関心を集めています」と言ってしまうことです。 そして(それを聞いた投資家が慌てて)翌週会うと、まだ誰もそのラウンドにコミットしていないと言うのです。そうなってしまうと、その起業家が嘘つきか、最後まで遂行できない人のように投資家には見えてしまいます。

つまり、あなたがお願いする緊急事態は、事実であり、100%実行できることでなければいけません。

以下は至急対応してもらいたい時に言って良いことです。

  • ◯日にデモデイがあり、その後バリュエーションが上がりそうである。
  • 多くの投資家と2回目のミーティングに進んでいる。そして近々、この資金調達ラウンドがクローズすると予想している。
  • 現在調達中のラウンドは残り◯ドルだけであり、△ドルは実際に話していて、非常に興味を持ってくれている投資家が出すかもしれない。なので、早急に返事を聞く必要がある。
  • △ドルのバリュエーションキャップで、◯ドルという小規模な資金調達だけを行っていて、これを達成するとバリュエーションは上がりそうである。 (※これはリード投資家以外に使いましょう)

緊急にすることは良いことですが、しかし誠実であるべきです。さもないと裏目に出てしまうでしょう。

私自身に関しては、まずは自分の態度を改めて、根本的にこのようなVCの行為を改善していこうとしています。
以下は私が状況を改善するために行っていることです。

  • 私は滅多にミーティングを受けません。ミーティングを過剰に行うことは、これらの問題を引き起こす原因になりうるからです。
  • しかし、現在はほとんど全てのコミュニケーションをメールで行うことで、さらに多くの起業家と話しています。メールでクイックに聞くことで、ビジネスのほぼすべての重要箇所(チームについて以外)について理解することができるでしょう。また、(メールベースのコミュニケーションであれば)特に何もしなくてもその情報はすべて文字になっています。そして、自動的に自分たちのCRM(Customer Relationship Management:顧客管理ツール)に記録されます。私の場合、メンターであり、友人で投資家でもある、David Hauser氏に教えてもらい、私自身も実際に会わずに彼から出資を受けました。その際の連絡は全てメールで行っていました。
  • ZapposのCEO Tony Hsieh氏が唱える、「毎日大量に届くメールを、10倍早く処理するためのテクニック、Yesterbox」の考え方に基づく、Inbox Pauseというツールを利用しています。
  • きちんと考えたり、メールするために、毎日何もミーティングを入れない時間を取っています。

これらの取り組みはまだ途中ですが、成功しつつあります。そして同様の問題へ取り組んでいる他のVCがまた、より一層起業家へすばやく応答できるようになればいいと思っています。


500 Startups Japanでは、シリコン・バレーを始めとする世界50カ国で1600社に投資した経験から得た知恵やノウハウを、日本の起業家へ伝えていくことを目指しています。毎週様々な起業家やメンター、投資家によるストーリーを配信しているので、是非Facebookページをフォローして、最新情報をチェックしてください!

Miyako Yoshizawa

慶應義塾大学看護医療学部4年。ベンチャーキャピタルや外資系証券会社の証券リサーチ部でIT市場のリサーチを経験した後、大学での専門を生かし、ヘルスケアITに注目。米国のヘルステック系スタートアップについて取り上げるサイト「HealthTech News」を2013年に立ち上げる。

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