500KOBE Program

500 Startupsがどのようにして世界中に「#500STRONG」なエコシステムを築いているか

私たち500 Startupsは、Y Combinatorとの違いをよく聞かれます。違いはたくさんありますが、私個人としては、とても重要な違いが一つあると思っています。

Y Combinatorは世界中のファウンダーに投資をしていますが、投資を受けるため(そして、少なくとも彼らのプログラムを受講するため)には、ファウンダーがシリコンバレーへ出向くことをその条件としています。「俳優になりたいのであればハリウッドへ、ファイナンスの仕事をしたいのであればロンドンへ、テクノロジー会社を創りたいのであればシリコンバレーへ行くべきだ」、Y Combinatorのパートナーがそのようなことを言っていたのを記憶しています。確かにそうかもしれません。しかし、シリコンバレーは、単なる場所ではなく「マインドセット」でもあるのです。ソフトバンクの孫正義氏、アリババのジャック・マー氏、Grabのアンソニー・タン氏をはじめとする多くのファウンダーは、スタートアップのメッカであるシリコンバレーに拠点を移すことなく、企業価値が極めて高い会社を築いています。

500 Startupsは、全く異なるアプローチをとっています。ファウンダーに来てもらうのではなく、私たちの方から世界中に伺うのです。500 Startupsのメンバー150人は、20カ国に拠点を置き、60カ国でシード投資を行っています。

500 Startupsが投資を行った国と拠点

 

シリコンバレー以外の場所でベンチャー投資をするのであれば、その地域のエコシステムを構築する支援もしなければなりません。ただ資金を提供するだけではなく、スタートアップをとりまくコミュニティ自体も、より起業家にサポーティブになるように成長させなければなりません。

ここ1年は、500 Japanでも様々な角度からこの課題に取り組んできましたが、ほぼ全てに共通していたのは教育・啓蒙活動でした。これは起業家向けの教育だけではなく、日本の投資家や大企業、政府機関向けの教育も含まれます。

MONOZUKURI HUB MEETUPで、「力強いストーリーの伝え方」について語る、James Riney

 

最初のきっかけはとてもシンプルでした:シリコンバレーのマインドセットを日本語のブログで紹介すること。多くの情報がオンラインで発信されているのに、英語という言語の壁のせいで、日本で共有されていないナレッジが多いことに驚きます。私たちは、資金調達やマーケティング、そして採用やファウンダーのジレンマなど、幅広いテーマを日本語でカバーしてきました。また、KPMGと森・濱田松本法律事務所の増島雅和先生のご協力のもと、シードステージにおける資金調達のための標準投資契約書であるJ-KISSを無償公開しました。これは、何年も前からシリコンバレーで標準的に使われている、誰もが自由に使えるconvertible equityのテンプレートです。

これまでに開催した中でも最大規模の起業家のためプロジェクトは、500 Kobe Pre-Acceleratorプログラムです。 神戸市と協力し、シリコンバレーのアクセラレーター(現在は「シードプログラム」と呼ばれています)を凝縮したプログラムを運営しました。 昨年夏に、20人のパートナーやメンター、起業家が来日し、6週間にわたってグロースハックやスタートアップのためのファイナンス、データに基づいたセールス技術などに関する、シリコンバレーのベストプラクティスを共有しました。このプログラムには日本中、そしてアジアから応募した200社以上の企業から、20社が選出され参加しました。

神戸市長と500 Startupsチーム

 

起業家のための教育は、安定したスタートアップエコシステムの一部に過ぎません。日本では、スタートアップへの投資資金の出処の多くは事業会社なので、スタートアップとの連携を模索する事業会社をサポートするコンテンツやプログラムも提供しています。昨年9月には、みずほ銀行とNEDOと共に1日限りのイベントを開催し、日本有数の大企業の幹部などをもお招きして、スタートアップとの取り組み方について勉強会を開催しました。

ここ数年で日本のベンチャーエコシステムは大きく前進しましたが、まだまだやるべきことはたくさん残っています。スタートアップへの投資は、アメリカでは年間7兆円以上にものぼるのに対し、日本ではまだ年間1,000〜2,000億円に留まります。私たちは、500 Startupsのこうした努力と、日本のローカルコミュニティが力を合せることで、近いうちにこれを年間1兆円にまで伸ばしていけると考えています!

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