500 Kathryn

イベントを通じてエコシステムを構築する、500 Startupsのイベントプロフェッショナル

今回は500 Startupsでイベント運営を担当する、Kathryn Tompkinsさんにインタビューを行いました。Demo Dayを始め、Geeks On A PlaneVenture Capital UnlockedPreMoneyなど数多くのイベントを開催している500 Startupsが、イベントを通して何を目指しているのか。また、イベント運営のマネージャーとしてどのように仕事されているのかといったことについてご紹介します。


大企業から500 Startupsへ、独特の文化に驚く

もともと500 Startupsへジョインする前は、テレビ製作会社で、イベントの運営やコーディネートを行っていました。サンフランシスコを訪れたのも、当初はテレビ関連の職を求めていたのがきっかけです。実際に訪れてみると、ここサンフランシスコはメディア産業以上に、テクノロジー産業が盛んだと知りました。イベント会社で運営を行っていましたが、500 Startupsで働く方と知り合い、たくさんのコンテンツを発信したり、イベントを運営している500 Startupsに加わることを決めました。

働き始めてすぐ、初めてのスタートアップカルチャーに本当に驚かされました。500 Startupsの文化は、私がこれまで働いていた大企業のものとは大きく異なり、ずっと楽しく、クレイジーなのです。

500startups-culture

500 Startupsの文化 (#500CULTURE )
1). 大胆であれ、謙虚であれ。ミスは許しても、小心は許容すべからず
2). 迅速に動き、物事を破壊せよ。成功するまでそれをスピードを持って繰り返せ
3). 自分、そして他者に挑戦せよ。常にお互いに責任を課せ
4). 変化し、多様であれ。多様性と包含性は、私たちの利益戦略で道徳的必須要項だ。それを謳歌せよ
5). 思いっきり楽しみ、稼げ。稼ぐことは私たちの使命でGSD(Get Stuff Done)であると同時に、それを楽しむこともまた私たちの使命である
(翻訳:三橋ゆかり氏、The Bridge )

例えば、Geeks On A Planeというイベントでは特に強烈に500のカルチャーを実感しました。このイベントはDaveら500 Startupsのメンバーと一緒に世界中を訪れ、現地のスタートアップ・コミュニティと交流するという招待制ツアーのようなものです。イベントを通して中東へはじめて訪問した際、その非常に過密なスケジュールに驚かされました。現地のスタートアップを絶え間なく視察し、素晴らしいスタートアップがあれば、その場で投資を行うこともあります。その一方でディナーは思い切り楽しむ。まさしく、500 Startupsが掲げている、HFGSD(Have Fun Get Stuff Done: 思いっきり楽しみ、稼げという、500 Startupsのカルチャー)を実感したのを覚えています。

geeks_on_a_plane

全てのイベントには目的がある

私たちがイベントを行う理由は5つあります。それぞれのイベントにおいて、何が目的なのか明確にすることが重要です。そしてこの目的に基いてイベントを運営していくことが求められています。

起業家、スタートアップ、投資家の教育
例えば、Weapons of Mass Distributionでは、実際に成功した企業のブランディングやマーケティングを学べる機会を提供しています。


Weapons of Mass Distribution 2015で語る、Greylock PartnersJosh Elman

500 Startups自身のブランド構築
イベントを通して、500 Startupsをより多くの人に知ってもらうことも重要です。シリコンバレーでは皆が500 Startups、Dave McClureChristine Tsaiを知っています。しかし世界の他の地域ではそうではありません。Geeks On A Planeで訪れたアフリカでは、誰も私たちのことを知りませんでしたが、知ってもらう機会になりましたし、実際に投資を行うきっかけにもなりました。

スタートアップエコシステムの構築のため
私たちがエコシステムを構築する理由は、一つ目にあらゆる専門家をスタートアップに招き入れるためだというのが大きいです。また二つ目にこのスタートアップ業界に新たに資金を流入させるため、投資家を招くことを目指しています。マイアミで開催したPreMoneyでは、テック業界以外の投資家を呼ぶことができました。

スタートアップのメディア露出や顧客獲得機会を増やすため

500 Startups自体の収益をあげるため

少人数で大規模なイベントを運営する

イベントの仕事は大きく2つに分けられます。一つは、イベントのPR です。PRはマーケターが中心となり進めていきます。もう一つは、イベントそのものの企画運営です。コンテンツとロジスティックスについて、どのようなイベントにしていくか話し合って具体的な部分を決めています。イベントのチームはこのマーケターとロジスティックススタッフ、コンテンツスタッフで構成されています。

また、500 Startupsの他のプロフェッショナルの力を借りることも多いです。例えば、社内でも社外でも大好評だった、Demo Dayでハロウィーンの装いをするDemoweenは、Yiying Lu氏(先日の記事でご紹介した、500 Startupsのインハウスデザイナー)のアイディアから始まりました。

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私はイベントのマネージャーとして、イベントチームを取りまとめています。ウィークリーミーティングで、単発イベントについて話したり、定期的な進捗管理を行っています。マネージャーには何が起きるか予期し対処することと、チームが上手く働けるよう介入することが求められます(500 Startupsの場合、後者に関しては優秀なチームなので、あまり介入することはありません。とにかく皆が働きやすいような環境を作るようにしています)。

さらに私の仕事で大事なのは、スポンサープライオリティーに関する仕事です。スポンサーが求めるものを提供できるよう、擦り合せを行います。スポンサー企業と良い関係を築く上で、期待していただいている以上に価値を提供していくことが重要だと思っています。

日本で開催した、初のプレアクセラレータのその後

500 Startupsにとって、日本のスタートアップシーンは非常に興味深い領域です。当然日本でもイベントをやっていきたいと考えていきます。

実際に500 Startupsが日本で行った、500 KOBE Pre-Acceleratorでは非常に短い期間で多くのコンテンツとメンターを提供することができました。プログラム全体の指揮をとった、Meghan ChristensonZafer Younisによれば、実際に参加したスタートアップからのフィードバックをみても非常に満足度が高く、彼らの成長に貢献できたと語っています。

500kobe-ytv

私はDemo Dayを担当し、実際にシリコン・バレーで行われているDemo Dayのクオリティを日本でも実現できるように務めました。そしてDemo Dayに登壇したスタートアップは、日本だけでなく世界中から集まった150人以上の投資家や企業の戦略担当者、そしてメディアを前に素晴らしいピッチをしてくれました。また、Demo Dayの前半では、投資家に対する教育プログラムとして500 Startupsファウンダーの Dave McClureやAngelListのRishi Narang氏による講演も提供しました。これは日本の起業家だけではなく、投資家のエコシステム参加を促す目的でもありました。このように、神戸のスタートアップエコシステムを構成する様々な人や組織を支援していきたいと思っています。

私たちは今回のプログラムがきっかけとなり、神戸のスタートアップシーンがより活発になっていくことを強く願っています。神戸市はスタートアップを受け入れることにとても意欲的で、私たちとしても今後も世界中から様々なスタートアップを招いたり、プログラムを開催する方法を共に模索していきたいと思っています。


500 Startups Japanでは、シリコン・バレーを始めとする世界50カ国で1600社に投資した経験から得た知恵やノウハウを、日本の起業家へ伝えていくことを目指しています。毎週様々な起業家やメンター、投資家によるストーリーを配信しているので、是非Facebookページをフォローして、最新情報をチェックしてください!

Miyako Yoshizawa

慶應義塾大学看護医療学部4年。ベンチャーキャピタルや外資系証券会社の証券リサーチ部でIT市場のリサーチを経験した後、大学での専門を生かし、ヘルスケアITに注目。米国のヘルステック系スタートアップについて取り上げるサイト「HealthTech News」を2013年に立ち上げる。

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