Smarthr Miyata Strongnight

SmartHR 宮田氏に聞く、B2Bにおける初期ユーザー獲得の極意

500 Startups JapanはグローバルVCとして、その学びを日本のスタートアップエコシステムに関わる皆様に提供しています。その取り組みの1つとして、500 Startupsのデモデイを解説するDEMO DAY THE MOVIEや、起業志望者同士のマッチングをするFounders’ Friday、そして経験豊富なメンター陣による投資先企業向けの勉強会#500STRONG Nightなど、様々なイベントを開催しています。

第3回目となる #500STRONG Night では、HubSpot Japan株式会社の古見氏をお招きし、インバウンドマーケティングについて、また、SmartHRを運営する株式会社KUFUの宮田氏をお招きし、BtoBセールスにおける初期ユーザーを獲得する極意についてお話しいただきました。

今回は非公開だった、宮田さんのセッションの一部を特別にまとめてご紹介いたします。


プロダクトがない状態で、潜在顧客からニーズを確かめるには

SmartHRのきっかけは、アメリカで話題のスタートアップであるZenefitを知り、日本でもたくさんの書類手続きが必要な人事面で、何かできるのではないかと考えたことです。しかし、プロダクトを作り始める前に、そのニーズが実際に日本にも存在するのか検証する必要がありました。周りの知人にヒアリングをしていましたが、彼らは本当の潜在顧客ではないため、ニーズを把握できているとは言えなかったのです。

どうすれば実際の潜在顧客に話を聞き、課題を把握できるのか考えました。そこで、まだプロダクトがない状況でしたが、まずは告知サイトを作ることにしました。すると驚くことに、たった2週間で125件もの事前登録が集まったのです。

WordPressの3,000円のテンプレートとGoogleフォームを使って半日でつくり、Facebookで細かくターゲティングをして広告を2万円分出しました。ノイズがないように、自分たちのSNSでは一切告知せず、ひっそりと反応を観てみたのです。たった2万3,000円でここまで反応があったので、ニーズがあると確信することができました。

さらに、これらの事前登録ユーザーにヒアリングをお願いすると、予想以上に快諾してくださる方が多く、30~40件ほどヒアリングすることができました。実際にお客さんになりそうな人たちに話を聴くことができたので、解決すべき課題を明確にすることができました。

初期の導入実績をいかに築くか

プロトタイプが完成した後、実際に使ってもらう必要がありましたが、最初は当然ですが導入実績がないため、とても苦労しました。

まず、事前登録してくれていたユーザーに会いに行きました。ただ残念ながら、構想の段階で募集した事前登録だったので、ベータ版ができるまで少し間が空きすぎていて、事前登録からの本登録率は予想していたよりも低くなってしまったのです。

そこで、Tech in Asiaや B Dash Campなど、たくさんのイベントに足を運び、直接声をかけて営業に力を入れました。株主である前田ヒロさんが登壇するイベントにもついていき、交流会でヒロさんの知り合いのスタートアップの社長を紹介してもらったこともあります。

このように足を使った営業で、導入実績を積み上げました。導入企業を言えるようになってからは、営業の成功率が10件に1件くらいから、4件くらいにまで上がりました。やはり初期に導入実績を築くことが大切でしょう。

写真左から500 Startups Japan 澤山陽平、James Riney、KUFU 宮田昇始氏、WiL 難波俊充氏

写真左から500 Startups Japan 澤山陽平、James Riney、KUFU 宮田昇始氏、WiL 難波俊充氏

プライシングは妥当か

価格はユーザーヒアリングで決めました。普通に「いくらだったら使いますか」と聴くのではなく、あえて「いくらだったら高いと思いますか」と聞いたことがよかったと思います。「今言ってもらった額の8割だったら使いますか」といったように確認できるので大体の理想価格を早期からつかむことができました。価格体系もヒアリングしていくうちに、従業員数で決まるのが自然だと分かったので、従量課金にしました。

この方法で、今考えても妥当なプライシングができたと思います。安くするのは簡単で、高くするのは大変ですから、最初は高めに設定しておいてもいいと思います。実際、僕達も5名未満は月額980円にしていましたが、売上のインパクトも当然低いので、無料にしてしまいました。

今後の課題はスケールです。自動の販売チャネルとか広告チャネルがあるわけではないので、考えていきたいと思います。


500 Startups Japanでは、シリコン・バレーを始めとする世界50カ国で1600社に投資した経験から得た知恵やノウハウを、日本の起業家へ伝えていくことを目指しています。毎週様々な起業家やメンター、投資家によるストーリーを配信しているので、是非Facebookページをフォローして、最新情報をチェックしてください!

次回のイベントは、サンフランシスコで開催された、500 Startupsのデモデイ「Demo-Ween」の動画を観ながら、500 Startups Japanのパートナー、JamesとYoheiが登壇スタートアップについて徹底解説するイベント「DEMO DAY THE MOVIE」の第4弾、Batch18です。是非こちらから参加申し込みをしてください。

demodaythemovie_4th

Miyako Yoshizawa

慶應義塾大学看護医療学部4年。ベンチャーキャピタルや外資系証券会社の証券リサーチ部でIT市場のリサーチを経験した後、大学での専門を生かし、ヘルスケアITに注目。米国のヘルステック系スタートアップについて取り上げるサイト「HealthTech News」を2013年に立ち上げる。

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