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VCとのミーティングが上手くいったと感じるのは、上手くいっていない証拠である

この記事は、500 Startupsのパートナーを務める、Elizabeth Yinのブログを翻訳したものです。彼女はコーディングやマーケティングを専門としています。投資を始める以前は、共同創業者としてアドテクのスタートアップ、LaunchBit (2014売却)を立ち上げました。


「VCとのミーティングは上手くいった?」

「うん、とても良かったよ!」

これは私たちの投資先の起業家に、他のシードVCとのミーティングについて聞いたときの、典型的な会話です。

この仕事に就いて、すぐにあることに気が付きました。起業家がVCと話して上手くいったと感じる時は、実は決まって上手くいっていないということです。上手くいったと思っていたところに、VCから起業家へ「この案件は私たちの得意分野ではないと判断しました、お会いできて良かったです」と書いてあるだけのメールが届くのです。起業家は上手くいったと思っているので、混乱しますし、悔しくなるでしょう。

何が起きているのでしょうか?VCとのミーティングが上手く行ったかどうかを見極めるのは、なぜこんなに大変なのでしょうか?

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Originally posted by gamerzlove

1) VCが本当にあなたのビジネスに興味を持っているのなら、難しい質問をしてくるでしょう

VCの仕事は、ビジネスを隅から隅まで調べつくすことです。なぜなら他の人のお金を投資しているので、くまなく調べることが非常に重要なのです。これはVCが自分たちの職務を行っているのであれば、当然難しい質問をしてくるということです。逆に、難しい質問をしてこないということは、職務を行っていないということです。私たち投資家がすでに投資しないと決めているのなら、難しい質問をしたり、大量の質問を徹底的に投げかけたりすることはありません。

つまり、すでに投資しないと決めている起業家との会話は、投資家にとって非常に簡単なのです。

これが起業家をより落胆させてしまっているということはわかっています。起業家としてはVCが投資しないと判断した後も、同様に質問をしてくるといった公平な扱いをしてほしかったという考えが残るでしょう。「チームのことすら聞かれなかったし、プロダクトすら見せてほしいと言ってこなかった」という起業家の皆さんの意見はよく耳にします。

私としても、このように言われては困りますから、下にその理由をあげてみましょう。

一般的に、VCは以下の理由から、会話を短く終わらせます。
a)まだステージが早すぎる
b)市場が小さすぎるように思える
c)創業者や共同創業者が賢くない、もしくは粘り強さがないように思われる
d)VCが創業者や共同創業者を気に入っていない

a)おそらく会社のステージこそが、VCがすぐに投資をしないと決定する、最も大きなの理由でしょう。VCはトラクションのステージという観点から、それぞれ投資するのに最適なスイート・スポットがあります。これが投資家の投資テーマや投資スタイルです。その時点でこれらの投資家の条件に合わなくても、会話を続けることは起業家を含めお互いの時間の無駄にするだけです。しかし、この場合で投資しないということはその先もしないというわけではありませんから、より前進があった場合に再度会うべきでしょう。

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Originally posted by failworldblog

多くのVCは、どんなディールであっても見逃したくはないため、表向きにはスイート・スポットとなるステージは特にないと言うに違いありません。会うのが遅すぎるくらいなら、早すぎるほうが、ずっと良いからです。実際のところ、他のVCの投資先を見れば、、常に数多くの例外があることが分かるでしょう。まだトラクションがある会社を探していると主張するようなVCでも、しばしばまだプロダクトがないような企業にも投資しているものです。 とはいえ、VCがすぐに会話を終わらせるのは、あなたのビジネスの領域やアイディアに現在賭けるか考察する価値があるのか、瞬時に見極めることができるからです。

b)もしも市場規模が小さすぎるように思えるという理由で投資しようとしない場合には、起業家はその考えを変えることは可能です。(Elizabethの別のブログポストを参照

c)アーリーステージの投資家は、スタートアップの創業者を基準にして、多くのことを決定しています。そのほうが合っている起業家もいれば、そうでない人もいます。もしVCが起業家を評価し、強いCEOと見なさなければ、その時点では投資はされないのです。VCがどのように「素晴らしい起業家」と判断しているかについては、もっと多くの議論が必要です。この業界に限らないような無意識なバイアスと、この業界特有の取り組むべきことは間違いなくあるでしょう。結論から言えば、人生そのものが不公平だとしても、創業者はうまくやる必要があるのです。自らを素晴らしい創業者であると証明するベストな方法は、ビジネスを展開させ、同じ投資家のもとへ足繁く通い、その進展を見せ続けることでしょう。これこそまさに、物事を成し遂げられる、真の素晴らしい創業者でしょう。

d)創業者を好きになれないという理由でも、VCはミーティングを早く切り上げます。正直、投資家との最初のただ一度のミーティングで悪い印象を残すことはむしろ難しいように思えるかも知れません。しかし、驚くべきことに、実際にはこの基準を下回る起業家も少なくないのです。筆者は以下のような場合には、自動的に投資しないと決めています。

・嘘をついたり、だましたり、倫理的でない行動をとる
・権利を主張する際に、チームに失礼な態度だったり、意地が悪い

当然のことように聞こえますが、起業家と投資家という関係を築く時には強い信頼関係が求められるので、私たちはあなたがまっとうな人間であると知る必要があります。私たちのチームの他のメンバーをどのように扱うか知ることで、あなた自身のチームをどうあつかっているのか(関連記事:モラルの課題と事件)を知る、代わりの手段になるのです。そしてもちろん、倫理的でない行動を取る人を信頼することはできません。

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Originally posted by sir-maximillian-goof

もちろん、これらの理由だけでなく、ビジネスを理由に投資しないと決定することもあります。

2) エンジェル投資家とのコミュニケーションはより簡単である

ここまでお話してきたことは、エンジェル投資家との会話においては当てはまりません。エンジェルは自分自身のお金を投資しますから、どのような理由からでも投資できるのです。例えば、あなたのロゴが好きだから、という単純な理由でも投資することすらあります。つまり、VCのように隅から隅まで調べる必要がないので、エンジェル投資家それぞれで、会話のバリエーションは多岐に渡るでしょう。

終わりに、これらの問題はすべて、なぜVCが投資しないと決定したのかわからないことから生じています。起業家は投資家に対し、その理由を確認するべきです。あなたの会社のステージやマーケットが問題となった場合には、その理由をきちんと教えてくれるでしょう。投資家が明確なフィードバックをくれない場合には、消去法で、あなたもしくは共同創業者にネガティブな点がある可能性が高いでしょう。

資金調達はそのものが不透明なプロセスですが、私はよりわかりやすいものにしていこうと思っています。資金調達に関する秘訣やコツをもっと知りたいという方は、ぜひメールマガジンを購読してください!

原文記事

Miyako Yoshizawa

慶應義塾大学看護医療学部4年。ベンチャーキャピタルや外資系証券会社の証券リサーチ部でIT市場のリサーチを経験した後、大学での専門を生かし、ヘルスケアITに注目。米国のヘルステック系スタートアップについて取り上げるサイト「HealthTech News」を2013年に立ち上げる。

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