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目指すは海外展開かまたは国内展開か。いずれのスタートアップも応援しています!

私たち500 Startupsは、シリコンバレーから来たベンチャー・キャピタルです。そのせいでしょうか、500 Japanの主な関心は「グローバル展開」を目指す日本企業にしかない、と思い込んでいる起業家がときどきいらっしゃいます。たしかに、そう思われるのも無理はありません。私たちの強みはグローバルなブランド力とネットワーク、そしてノウハウです。当然ながら、その強みを最も発揮できるところに注力していきたいと思っています。ですが、これは話の半分にすぎません。世界を目指す起業家を支援するのはちろんですが、実は私たち500 Japanは、グローバル展開を前提とした事業だけでなく、その逆の国内展開を前提とした事業も応援したいと思っているのです。

500 Japanの関心はグローバル展開を目指す企業にこそある、と思われている方が多いでしょう。日本では順調に売れる優れた技術的イノベーションあるいはテクノロジー製品であっても、よりスケールさせるためには海外に目を向けるべき場合があります。私たちの投資先である、次世代パーソナルモビリティを開発するWHILLや、日本のコアな部分、すなわちオタク文化を世界に輸出する企業であるちTokyo Otaku Modeへの投資はそうした事例として挙げられるでしょう。

一方で、500 Japanは、国内展開を前提としている企業にも実は注目しています。つまりそれは、日本特有の文化的および規制上の障壁を克服するようなスタートアップです。例えば、「会議室のAirbnb」であるSpaceeに投資する際には、参入障壁について考えました。潤沢な資金を持つ海外企業が日本に進出した場合、Spaceeは勝てるのか?その答えはYesだと考えています。なぜならば、ローカルの(そして多くの場合)保守的なオフィススペース所有者に、インターネット上でミーティング・スペースを貸し出してもらうためには、文化的ニュアンスに対する深い理解と相当な営業力が必要だからです。さらに、いったん登録すると、スイッチング・コストやネットワーク効果によって、より競争優位を守ることもできるでしょう。同じことはPocket Conciergeについても言えるはずです。

規制もまた地域特有のものであり、金融サービス、農業やヘルスケアをはじめとする強い規制が働く産業でこそ競争優位は守りやすいのです。こうした規制産業におけるスタートアップは、決済、作物生産や医療診断などの普遍的な問題に取り組む一方で同時に、現地の細かな何百もの規制を乗り越えているのです。

500 Japanは、こうした競争優位を守ることができるであろう国内展開を前提とした事業を応援したいと思っています。シリコンバレーから何百億もの資金を持つ海外の同業者が、あなたを倒しに来る可能性は高くはないでしょう。逆に、そうしたビッグプレイヤーは、実際に日本市場参入を検討し始めるときに、あなたの企業との競争とその買収のどちらが安いのかを計算するのではないでしょうか。ローカルなスタートアップには競争優位があるので、買収される可能性があるのです。

つまり、私たち500 Japanはグローバル展開または国内展開を前提としたスタートアップを、それぞれ別の理由で応援しています。前者の場合、私たちが海外での事業拡大を支援することができるます。後者については、事業そのものが外国企業との競争を回避できる可能性が高く、そして場合によっては、国内展開を前提としているファウンダーと海外企業とを引き合わせ、エグジットの支援をすることができると思っています。もしそこまではできなかったとしても、すでに私たちが世界中で投資した中にある「類似事例」をもとに、具体的なアドバイスをすることはできるでしょう。

James Riney

Managing Partner & Head, 500 Startups Japan

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