SmartHR Office

株主ミーティングの運営が上手な会社

私たち500 Startups Japanは過去2年半の間に、日本で40社以上に投資してきました。そのため、言うまでもなく、多くの株主ミーティングに出席してきました。そして、様々な様式、スタイルやダイナミクスの株主ミーティングを俯瞰的に見る機会に恵まれました。絶対的に正しい運営方法はないと思っていますが、ポートフォリオ企業の中には、株主ミーティングの運営が特に上手な会社が数社あります。

Zehitomoの株主ミーティングは、際立っていると私は思っています。株主ミーティングたるもの、通常出席するのは経営陣のみです。しかし、Zehitomoの場合、出席者の範囲は、各チームのリーダーだけでなく、従業員であれば誰もが出席を奨励されます。経営陣のメンバーとチームリーダーは、登壇してプレゼンを行います。彼らは投資家に、取り組んできた仕事、上手くいっている事と上手くいっていない事を説明します。この様式に好感が持てるのには幾つかの理由があります。

1つ目は、会社のミッション達成に当たって、全てのメンバーが重要な役割を担っていることを確認できる点です。創業期以外のメンバーも貢献をより一層確認できるのと同時に、投資家は、その他のチームメンバーを知るチャンスでもあります。2つ目は、企業文化にとって透明性が重要であることを伝えられる点です。投資家は自由に質問し、会社の誰もが自分の見解を示し議論に加わることができます。このセッションが終わると、よりカジュアルな環境で投資家が他の従業員と交流できるオフィスパーティーが行われます。Zehitomoは、私が経営陣以外の方々を知っている数少ない会社の1つです。彼らは、その隙間を上手に埋めていて、私もそれをありがたく思っています。

段取りよく進むKAKEHASHIの株主ミーティングも際立っています。株主の数がとても多いので、正直なところ最初は懐疑的でした。直近行われたラウンドは非常に競争率も高かったため、幸運なことに多くの賢い投資家が協調し共同投資することを決めています。同様にに株主数の多い株主ミーティングに何度か出席していますが、たくさんの方々がいろいろな意見を出し合うのでとても非生産的なこともあります。しかし、KAKEHASHIでは、経営陣が入念に準備をしているおかげで株主ミーティングは段取り良く進みます。経営陣はいずれも、何度も検討を重ねてしっかり準備をしてから担当部門についてプレゼンをしていることは明らかです。特定の課題にどう取り組むべきか、そして株主がどう支援できるかなどの株主に向けた質問も分かりやすく端的です。質問が明確なので投資家らも、どのような分野で支援できそうなのかを直感的に分かります。きっと各々の価値を最大限に引き出すために同じラウンドに賢い投資家をたくさん集めたんだと思いますが、その狙いは見事に的中しています。だからこそ、KAKEHASHIの株主ミーティングでは、どの投資家がどのようにサポートできるのか、まるで競争のように感じることがときどきあります。

際立っていると感じる3社目の会社は、効率を重視するSmartHRです。進め方はKAKEHASHIに似ていますが、出席者の数はだいぶ少な目です。500 Starups JapanはSPVを利用してSmartHRのシリーズBをリードしているため、SmartHRは複数の投資家を1人の株主、すなわち私たち500 Startups Japanに統合しています。株主ミーティングの出席者は、WiL、BEENEXT、East Ventures、青柳直樹氏、そしてSPV投資家を代表する私たち500 Startup Japanです。ほとんどの出席者はSmartHRの最新動向を把握しているので、プレゼンは情報を伝達するというよりも議論が中心になります。そのため、すぐに重要な議題に進むことができます。さらに重要なのは、発言者の数がより少ないため、より早い決断ができる点です。投資家選びの重要性を認識している人はたくさんいても、投資家の人数を気にする人は多くありません。信頼できる少数精鋭かつ熱心な投資家を選べば、スピードというメリットを手に入れることができます。

最初に書いた通り、絶対的に正しい株主ミーティングの運営方法はないと思っています。また、上記の企業は、シリーズA以降の資金調達ラウンドに進んでいる企業だということを忘れないでください。到達しているステージ、企業のスタイルや状況によってベストプラクティスは異なるものです。

James Riney

Managing Partner & Head, 500 Startups Japan

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