Talkdesk Talkstart

ハッカソン発、急成長したSaaSスタートアップ「Talkdesk」

今回は、世界最大規模のコールセンターのクラウドソリューションを提供する、TalkdeskのCEOで共同設立者のTiago Paiva氏によるゲスト記事をご紹介します。

TalkdeskはTwillioのハッカソンで優勝したのがきっかけで、500 StartupsのアクセラレーターBatch 3に参加したサンフランシスコのスタートアップです。これまでに500の他に、DFJ、Storm Ventures、Salesforce Ventureらから2450万ドル以上を調達しています。2017年6月のNathan Latka氏によるTalkdeskのCOO Gadi Shamia氏へのインタビューによると、1200社が導入していると言います。


全ては1つのノートパソコンから始まりました。

リスボン大学のコンピュータサイエンスの修士課程を卒業しましたばかりの頃、私はスタートアップを立ち上げたり、世界を変えられるような革新的なプロダクトを作るつもりでしたが、ポルトガルのスタートアップシーンはまだ軌道に乗っていませんでした。 私は毎日何時間も費やし、さまざまな起業家プロジェクトに取り組み、ビジネスアイデアをブレインストーミングし、「This Week in Startups」を聴き、スタートアップ業界に参入する方法をインターネットで調べました。 私は「The Noob Guide to Online Marketing(初心者のためのオンラインマーケティングのガイド)」と、その頃IPOしたSaaS企業のフォームS1(*米国においてIPOを行うために米証券取引委員会(SEC)への提出が義務付けられている書類のことで、財務諸表に加えて、会社のリスク要素など投資判断に必要な事項が記載されている。)を壁に飾っていました。 ある日、成功したスタートアップを見ていると、Twilioが運営するハッカソンについてのブログポストを見つけました。そしてそのハッカソンで優勝した人には、MacBook Airが授与されるとのことでした。

私はそのノートパソコンと優勝という肩書きが欲しかったのです。

それは2011年のことでしたが、その数年後、私はDFJ、Storm Ventures、500 Startups、Salesforce VenturesなどのトップVCから2,450万ドル以上を調達した超成長企業のCEOを務めています。 私の会社には現在、120人以上の従業員と1,000以上の顧客がいます。 そして最近サンフランシスコのダウンタウンの美しい建物に移動しました。

さて、私は一体どのようにしてそれを実現させたのでしょうか?まず賞品のノートパソコンを当てたことから全てが始まります。

私のアイディアはとてもシンプルです。高額で面倒でストレスが溜まる電話での顧客とのやりとりを合理化する、クラウドベースのコールセンターのソフトウェアを作りました。このソリューションによって顧客に関する包括的でリアルタイムの情報を提供することで、エージェントが会話をパーソナライズし、迅速化できるようにしたいと考えました。 そしてこれをブラウザベースのソフトウェアとして提供することで、企業が数ヶ月や数日もかけることなく、たった数分で導入できるようにしたかったのです。

私はリスボン大学の同窓生であるCristina Fonsecaの助けを借り、このハッカソンに応募しました。 私たちはビジョンに向かって作業した結果、Talkdeskというプロダクトを作りました。 私たちのプロトタイプはTwilioが主催するハッカソンで優勝し、その賞品のノートパソコンを獲得しました。

受賞したあとで、大きなマーケットニーズに対応したものを作りあげたことに気付きました。当時、シンプルなクラウドベースのコールセンターソフトウェアは他にありませんでした。 このプロトタイプで起業せずに、ただ賞品を持ち帰って家に帰るのは大きな間違いでしょう。 TwilioConの審査員の一人であるPaul Singhが私に近づいて、私に500 StartupsのBatch 3に参加するように勧めました。 私は当然それを受け入れ、アメリカに滞在することにしました。

500 Startupsがきっかけで、私は初めて外から勉強するのに多くの時間を割くという文化に初めて触れました。 私のようなアーリーステージの起業家は、自分の考えを実現させることに集中していました。メンターやベンチャーキャピタリスト、その他のインフルエンサーたちがいて、夜遅くまでホワイトボードでのセッションやオフサイト会議を行っていて、私はその全てが好きでした。そうして、長年抱いていた夢が私のものになったことに気付きました。

500 StartupsのDemo Dayを控えた2011年11月、TalkdeskはAngelListで投資家のAlex Khein氏から注目を集めました。その数週間後、Talkdeskは35万ドルを調達し、帆に風を受けて進み始めました。次の2014年の調達まで、私たちは資金調達を行いませんでしたし、その時私たちの口座にはエンジェルから調達した金額と同じだけが残っていました。一体どうやったのでしょうか。

私たちは飢えていました(単に1食のバーベキューを3食に分けて食事をしていたという訳ではありません)。リーンで開発し、プロダクトを開発する上で話を聞く必要があったので、私たちのアーリーアダプターから話を聞いて学び、彼らの期待を超えました。電話で顧客に話すことに躊躇してしまいがちですが、それを乗り越え、実際に自分の手を使って話を聞くべきだということです。 最初の2年間は、Talkdeskのマーケティング、セールス、カスタマーサクセス、カスタマーサポートを一人でやりくりしながら、プロダクト開発もマネジメントしていました。 このような非常にリーンなアプローチをとることは重要でしたが、それ以上に重要なことは、将来Talkdeskが人々が愛されるプロダクトになるよう、顧客から役立つデータを収集していたことでした。

最初の2年間、これがTalkdeskのカルチャーでした。ポルトガルにいるエンジニアチームも24時間、電話とメールによるカスタマーサポートを手伝ってくれました。私は一日中デモを行っていただけでなく、新しい顧客の初期導入をサポートし、トラブルシューティングを行い、顧客のユースケースに合わせて設定をカスタマイズしていました。そしてこの経験を元に、プロダクト開発を加速しました。 このアプローチにより、私は顧客の実状を正確に把握し続け、フィードバックとデータに基づいた製品ロードマップを作成することができました。

ある一種のVIP、つまり顧客中心のサービスを提供することが、Talkdeskにとってトリクルダウン理論的な効果があるとすぐにわかりました。 私たちのアーリーアダプターはTalkdeskを気に入り、使ってくれました。 彼らは私たちの反応の速さを高く評価してくれたのです。つまり、ユーザーのニーズを満たすようプロダクトを進化させていたので、受け入れてもらえたのです。 口コミで顧客が増加するにつれ、当社の顧客基盤はオーガニックに成長しました。 これにより、私たちはマーケティングに一切の費用を割く必要がなく、顧客からの紹介や、ウェブサイトへのダイレクトな流入やオーガニックな流入だけで成立していました。

エンジェルから調達したお金なしに一度100万ドルARRを達成すると、毎晩遅くまで家に帰れず、無給で働いていることがいつか報われるのだと確信しました。

過去数年間、Talkdeskは中小企業に特化したコールセンターSaaSから脱皮し、BoxやQualis、DemandWareといった大きな上場会社とも取引するようになりました。前年比10倍で成長しており、その勢いが止まる気配は見えません。

しかし、これはリーンでまとまりのないスタートアップの頂点にいるようなものであることを決して忘れることはありません。その場所にいることでどう感じるのか、そして何が成功と失敗を分けるのかをしっかりと認識しています。 私たちの経験を振り返ってみると、その答えは非常にシンプルなもの、カスタマー中心のサービス、でした。

顧客に優れたサービスを提供することが、Talkdeskの成長に影響を与える主な要因であり、全てのアーリーステージのスタートアップの成長に不可欠であると考えています。Day-1からカスタマー中心のマインドセットがなければ、Talkdeskの今日のような姿はなかったでしょう。実際に私たちは実行し、顧客がまさに求めているプロダクトを作ったからこそわかるのです。そして今度は創業初期の迷っているスタートアップに私たちの知識を提供する番だと思っています。

そこで私たちは「Talkstart」プログラムというものを作りました。 これは、スタートアップがより簡単にお顧客サービス部門の開発をできるよう設計されたものです。初心者のためのガイドを参考にしている人や次世代の夢を抱く人たちが、障害を乗り越えられるようにするためです。 アクセラレータ、インキュベーター、共同作業スペース、VCと協力し、スタートアップに対し、最大3つのトークデスク・ライセンスとVIPオンボーディング・コーチを提供しています。 私たちのチームは、スタートアップがTalkdeskを実装し、CRMやヘルプデスクなどのツールと統合し、卓越した顧客サービスの基盤を構築するのを手助けします。

私は500 Startupsが「Talkstart」プログラムに参加してくれたことを誇りに思います。 ほんの数年前、私はBatch 3の大勢の参加者の1人にすぎませんでした。しかし今、私は劇的な成長を遂げているスタートアップを経営していて、Talkdeskが1台のノートパソコンを得るためのアイディアにすぎなかった時に私を助けてくれた500 Startupsのコミュニティに、ついに恩返しをするチャンスを得ることができました。私は、500のアクセラレーターに参加する全てのスタートアップが成功してほしいと思っており、彼らが顧客中心の事業を作り上げていくことにTalkdeskがお役に立てればと願っています。

ちなみにですが、今ではもちろんチームメンバー全員が、仕事の初日にMacbook Airを支給してもらえますよ笑

原文記事


500 StartupsではTalkdeskの他にも、投資先企業向けに、関係者特典として様々なサービスのスタートアッププランといった特典を提供しています。500 Startups Japanも投資先向けの割引や無料クレジット特典を提供しており、投資先企業はスタートアップに必要な様々なサービスを非常に安価に利用することができます!

500 Startups Japanの投資先が利用できる特典の一例

Talkdeskについて
Talkdeskは、電話サポートで優れたカスタマーサービスを提供できるように支援する、使いやすいコールセンターのSaaSです。IVR(Interactive Voice Response :顧客からの電話に対し、番号入力に基いて音声案内やコミュニケーターへ対応の振り分けを行うシステム)、スキル別のルーティング、包括的なレポート作成などの直感的なインターフェイスと堅牢なコールセンター機能により、エージェントは顧客とリアルタイムでパーソナライズされた会話を行うことができます。 Talkdeskを使用すると、数分でコールセンターを構築でき、SalesforceやDesk.com、Zendeskといった様々なトップビジネスツールと統合することができます。 詳細はwww.talkdesk.comをご覧ください。 Talkstartプログラムの詳細については、https://www.talkdesk.com/talkstartを参照してください。

Miyako Yoshizawa

慶應義塾大学看護医療学部卒業。在学中に海外のヘルステック企業やデジタルヘルス企業に関して取り上げる、HealthTechNewsを立ち上げ、2016年売却。外資系証券会社の株式リサーチ部で、TMT市場に関わる調査アシスタントなどを経て、500 Startups Japanに参画。

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