Public Relations For Startups

創業初期のスタートアップは広報専任者を雇うべきか

こんにちは、500 Startups Japanの吉澤です。私は普段、シニアアソシエイトとして新規投資先の探索と、投資先の広報支援をメインに行っています。500では当初から投資先企業へ提供するサポートの一つに広報もいれ、支援してきました。私の他に、アドバイザーとしてInnovation Bridge代表でスタートアップの広報支援の経験も豊富な瀧本裕子さんにもご協力いただき、投資先の広報活動を支援しています。

投資先の事業やステージによっても、広報に対する優先順位の考え方は異なります。リソースが限られているスタートアップだからこそ、広報活動により会社の信用力を向上させたり、採用力の強化に繋げることを重視する会社もあります。ちなみに、先日家入さんも初期のスタートアップにおける広報の重要性についてツイートされていました。

私たちも広報により、採用力が増した企業やリード獲得に繋がった事例を見てきました。しかし、広報の効果は必ずしもすぐに出るものではありません。そのため、創業間もない時期に広報専任者を採用するのはコスト的に悩ましいと考える起業家もいるのではないでしょうか。

リソースが限られているスタートアップが、高い費用対効果が見込める広報体制を築くにはどのような方法があるのでしょうか。私たちは初期から専任者を入れる選択肢の他にも、ハイブリットな方法があり、組織や事業領域によってどれが適しているか選択すべきだと考えています。今回はいくつかの選択肢と、選ぶ際の基準をご紹介します。

専任者を採用する
初期から広報の専任者がチームにいれば、より高い効果を期待できるでしょう。しかし現実的には、何人目のメンバーとして入れる必要があるのでしょうか。事業にもよりますが、オンラインビジネスの企業の場合、まずは広報よりも開発やその他の職種の優先度高くなることが多いでしょう。事業そのものがないと、広報しようにも出せる情報が非常に限られているからです。

一方で、超創業初期でも広報が重要なケースも当然あります。
・消費者向けのサービスで特にブランドイメージが重要な事業領域(例:D2Cコマースやファッション業界など)
・競合が非常に多く、外からみたときの他社との差異や優位性が弱い、伝わりづらい場合
・炎上リスクがある、過激な事業や手法をとる場合

それでも最初から専任者をフルタイムで採用するというのは難しいでしょう。広報活動への投資のリターンはなかなか定量的に評価ができず、かつ長期的な投資になるので、専任となるとその評価は非常に難しくなり、初期のコストとして妥当かの判断はなかなかつきません。専任者を採用する場合にはその評価指標についてもよく議論すべきです。

フルタイムではなく、パートタイムで専任者を採用するのも選択肢に挙げられます。その場合はきちんと対面でコミュニケーションを取る時間を持ち、マネジメントする担当者を明確にしましょう。さらに成果ベースでも活動量ベースでも、毎月の目標をお互いに擦り合わせていないと、彼・彼女らが抱える他の案件と比較した時の優先順位をどうしても上げることができません。

PR会社を使う
社内でPR専任者を雇えないのなら、PR会社を使うのはどうかと相談されることもあります。PRのプロフェッショナルを外部に持つことで、記者とのコネクション、コミュニケーションの取り方の質、打ち出すメッセージの質は向上するでしょう。

しかし、PR会社を使えばそれで安心、オッケーという訳ではありません。PR会社を使う場合は、社内で誰がPR会社とのコミュニケーションを担当するのかをきちんと明確にするべきでしょう。PR会社は伝えられている情報を元に活動するので、社内の状況をしっかり伝えきれないと無駄なコストになってしまいます。

他の業務の兼任者に任せる
私たちは、多くのシード企業において社内にほか業務との兼任者をおくことを推奨しています。兼任者が広報の方法を学びながら責任持って広報活動を行うという、ハイブリットな方法です。

マーケ担当者が兼任する場合もあれば、採用担当やCOO、代表自身が他の業務と合わせて広報活動を行う会社もあります。重要なのは、会社の状況を包括的に把握し、適切なコミュニケーションができる人が取り組むということです。たまにあるのが記者とのコミュニケーション自体をインターンに任せるというケースですが、基本的にはおすすめしていません。一度記者からの信頼を失ってしまうと、なかなか取り返しがつかなくなってしまうためです。

初めて広報に取り組むという人でも、積極的に学ぶことができる人であればそれで十分かもしれませんし、専門的な知識が不足している場合はアドバイザー的に月数回のミーティングベースまたは伴走しながら動いてくれるフリーランスの広報やPR会社を使うのもいいかもしれません。兼任レベルでも社内で早期に広報に取り組むメンバーがいれば、自社の広報活動の課題を明確に把握できるため、長期的に広報を専任で採用する際にもよりフィットした人を採用できるのではないでしょうか。

以上、スタートアップにおける広報チームの体制についていくつかご紹介させていただきました。この他にも、スタートアップのためのプレスリリースの書き方や各メディア特性などについてもブログでご紹介しています。ぜひメーリングリストにご登録お願します。

また、最近では500の投資先においても、事業の成長に伴い、広報専任者を採用している会社も多くあります。急成長するスタートアップでの広報に興味ある方は、お気軽に500 Talent Managerの津田にご連絡ください。

吉澤美弥子

慶應義塾大学看護医療学部卒業。在学中に海外のヘルステック企業やデジタルヘルス企業に関して取り上げる、HealthTechNewsを立ち上げ、2016年売却。外資系証券会社の株式リサーチ部で、TMT市場に関わる調査アシスタントなどを経て、500 Startups Japanに参画。

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