Mercari Tokyo Office

メルカリ・マフィアの誕生

ついにこの日が来ました!山田さんをはじめとするメルカリの皆さま、IPOおめでとうございます。創業からわずか5年で数十億ドルのIPOにスケールすることは、シリコンバレーでレジェンドと呼ばれる人たちにもなかなか出来ることではありません。1人のベンチャーキャピタリストとして、そして日本のスタートアップを応援する者として、「ユニコーン」のIPOが実現したことを誇りに思います。

このIPOは、日本にとってある意味ほろ苦いものでもあります。なぜならば、日本の「唯一のユニコーン」と広く認識されていた企業がイグジットを果たしてしまい、再びユニコーンがいない状態に逆戻りしてしまったからです。もちろんスタートアップ界隈の人であれば、すでにメルカリだけが唯一のユニコーンでないことは知っていますが、そう呼ばれて業界をリードしてきたメルカリは、日本におけるスタートアップの成功の象徴なのです。

では、メルカリが日本のスタートアップ業界から卒業してしまった以上、「次は何が来るの?」と多くの方々から質問されます。答えはわかりませんが、メルカリのIPOは国内スタートアップのエコシステムに波及効果を及ぼすのでは、というのが直感です。

メルカリは、成功の象徴であるばかりかこれからのファウンダーにとって希望の象徴でもあります。これから起業しようとする人たちに、10億ドル超にスケールすることは、シリコンバレーでしか成し遂げられないことではなく、東京にいながらでも実現出来ることだと見せてくれたのです。また、早い段階で海外進出を視野に入れていた山田さんの大胆さは、より高みを目指すべきであるという良い手本を周囲に示しています。メルカリ自身の海外展開の成否に関わらず、山田さんがこれからのファウンダー達に与えたインスピレーションは計り知れません。

また、ここに到るまでの道のりを社内で実体験できたメルカリの従業員たちは、最前列の特等席にいたのも同然です。会社が猛スピードでスケールするのを間近で見られた上に、それを実現するために何が必要なのかを体得できたのですから。一度経験すれば、もう一度やってみたいというハングリー精神が生まれ、それを追体験するノウハウも蓄積できています。シリコンバレーがスタートアップのメッカであるのは、資金、優秀な人材と根性のコンビネーションだけが理由ではありません。もちろん、それらも重要ですが、大事なのは長年蓄積された知識です。巨大企業を短期間で作り上げるノウハウは世代から世代へと伝えられています。だからこそ、魔法のようなものを見つけると、それをうまく捉えてポテンシャルを最大限に引き出す方法を知っているのです。メルカリの従業員達には、この得難い経験とノウハウを活かして、将来影響力のある会社を自ら立ち上げて欲しいと願っています。

さらに、従業員達にとって幸運だったのは、メルカリ経営陣が、株式によるインセンティブを信じていたために、ストックオプションを惜しみなく従業員に付与した点でした。日本のスタートアップがイグジットする場合、ファウンダーと投資家は金持ちになれるものの、従業員そこまでではないケースも多いです。メルカリのIPOは、新たなエンジェル投資家を生み出すだけでなく、この人たち自身に、外に出てまた新しいことにチャレンジしようというゆとりを与えてくれるのです。

言うまでもなく、シリコンバレーで最も有名な例がPayPalです。PayPalの元メンバーは、LinkedIn、YouTube、Yelp、Tesla、SpaceX、Yammer、Palantirといった企業を創設しており、その後、彼らを総称する「PayPal Mafia」という造語まで出来ています。メルカリが株式公開を果たしたので、日本でも「Mercari Mafia」なるものが誕生するかもしれません。メルカリ・マフィアたちが、日本のユニコーンを次々と立ち上げてくれることを心待ちにしています!

James Riney

Managing Partner & Head, 500 Startups Japan

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