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スタートアップのためのPR – プレスリリースの作り方

今回はPublicizeのCEOであり、500 StartupsでPRとメディアのメンターとしてスタートアップを支援するConrad Egusa氏に、スタートアップのPRについて教えていただきました。 PRは時に、スタートアップにとって非常に重要なものになります。単にグロースのための一時的な施策でなく、長期的に事業を拡大させるためにも大切です。

良い(肯定的なイメージを与えられる)PRは、ソーシャルプルーフ*と権威という2つの主要な影響要因を得ることができ、悪い(否定的なイメージを与えてしまう)PRでさえ、トラフィックや人の注意関心を喚起するでしょう。 どのように捉え、取り組んでいくかはあなた次第ですが、まずはインターネットを使って取り組んでみましょう。

*ソーシャルプルーフ(社会的証明)とは、対象への賛同者が多くなるにつれて、それが信頼性を持つようになることを指す社会心理学用語

会社のために自分でPRに挑戦したことはありますか? PRの内容について記者が噛み付いてくるのはちょっとした恐怖でもあります。 私の友人のEric Eldon氏(元Techcrunchの編集長)は、「メディアに喧嘩をふっかけてはいけません」と話していました。

今回は、そういったレピュテーションを曇らせかねないような間違いを犯さないよう、PRについて明らかにしていきたいと思います。


あなたはスタートアップを経営していて、他の人達に知ってもらってもいい頃だと考えているんですよね?

新製品を出したり、再ローンチしたり、会社が登壇予定のイベントがあるといった予定があるのでしょう。しかし、PRの目標は何ですか?そしてそのPRの目標を達成するためにどのようにリソースを配分していますか。こうした重要な問いに答えることができるか確認しましょう。

PRのゴール

多くの人はPRが何かを知っているでしょう。例えば、パブリック・リレーションズの略だと。

冗談は置いておいて、起業家が自分の会社のメッセージと向き合うことは、どんなビジネスやスタートアップであれ事業を拡大させる上で大事なことです。そして最近では、多くのビジネスに、最低でもある程度のPR機能が必要であることをわかっています。

しかし、最終的にPRの目標は、強い存在感を持ち、業界を独占し、会社とあなた自身のコメントや方向性を業界が頼りにすることです。

もちろん、PRの目の前の目標は、マスコミなどに報道してもらうことですが、これを効果的に行うことで、将来発表をしなくてもあなたのビジネスが記事で言及されるようにできるでしょう。 要するにDave McClure(デイブ・マクルーア、500 Startupsの代表)がどのようにマインドシェアを獲得し、人々がアクセラレーターや投資のことを考えた時に、Daveをまっさきに思い浮かべたり、検索結果で表示されるようにしているかということです。

難しいことですが幸いにも、いくつかの方法があります。
最も効果的なのは以下の2つです。

  1. ビジネスリーダーやそのゴーストライターによって書かれた、ゲスト記事を使いましょう。業界の権威として人物像を構築するのです。
  2. プレスリリースを使用して、ジャーナリストやニュースサイトにあなたの会社内で起こっている新しい変化や出来事を知らせましょう。 今回この記事では、プレスリリースを作成、活用し有意義な報道を得るためのベストな方法について説明します。

プレスリリースでメディアに報道してもらう方法

これまで話したように、プレスの注目を集める最善の方法の1つは、ジャーナリストや編集者にあなたやあなたの会社が行っている発表を知らせるプレスリリースを利用することです。

経験の少ない人や、または文章を書くのが好きではない人にとっては、大変な仕事のように思えるかもしれませんが、必ずしも大変なわけではありません。

プレスリリースを作成し、記者にそれを渡すことは、簡単でごく僅かなステップに分解することができます。 もしあなたが自分の文章能力に自信がないようなら、文法に細かい友人に一度見てもらいしょう。少なくとも1人はあなたの周りにいるはずです。

次のセクションでは、記者に無視されない、最強のプレスリリースを作成するための7つの手順を説明します。

あなたのストーリーとは何か

みなさんが考えているのとは裏腹に、メディアや記者は地雷や恐ろしいものではありません。
多くは、最も興味深くて新しいストーリーを探している、謙虚な記者です。 この際に重要なのは「新しさ」です。
何か新しくて良い情報を提供することができない限り、プライドを持ってやっている一流メディアは、過去の話を取り上げることはないでしょう。

あなたのニュースが実際にニュースとしての価値があるか確認するには、あなたの発表内容を分析する必要があります。買収(より攻めの姿勢のものや、高額なものほど良い)や資金調達の発表、さらに会社の立ち上げや新プロダクトの発表といった内容は最も注目されます。しかし、かならずしもこの順位に従うべきというわけ訳ではありません。 タイミングさえ正しくできれば、何でもニュースとしての価値がある可能性もあります。 以下は、バージョン1.0のソフトウェアリリースを取り上げた、TechCrunchの例です。

プレスリリースをつくる方法

プレスリリースとメールによる告知は、メディアの注目を集める上で最も重要な要素です。お知らせの連絡を雑に行ってしまうと、誰もあなたの話に耳を傾けません。

プレスリリースは約1ページの長さに収めるようにしましょう。また、事実の漏れがないようにしなければなりません。
良いリリースは、以下のコピペ可能な定型文に従い、似ている以下のようなテンプレフォーマットで行うと良いでしょう:

  • タイトル:「誰/何が」「新しい何かやお知らせ」を行った、という形式にしましょう
  • 第1段落:新しい発表で描いた、より大きなミッションについて議論しましょう。すなわち、何をするか、何のためにするかといったことです。最
  • 第2段落:製品や発表の詳細について掘り下げましょう。
  • 第3段落:その発表についてCEOまたは共同創業者が説明しているコメントを載せましょう。 これにより、ジャーナリストやあなたの会社自身が、記事の引用コメントを探すのに時間を費やす必要がなくなります。
  • 第4段落:あなたの発表がより大きな業界やコミュニティに関連する理由を説明するために、トレンドについて言及しましょう。 理想的には最低1つ、データポイントをいれましょう(例:業界の規模など)。
  • 第5段落:CEOまたは創業者による、最後のコメントでまとめましょう。
  • 第6段落:あなたの会社の沿革と代表の経歴を簡単にまとめましょう。

また、記者がプレスリリースのコメントだけでは十分ではないと思う場合や、より詳細な情報が必要とする場合のために、連絡先も含めましょう。

こちらにいくつかのプレスリリースの例がご覧になれます。

上手く告知する

プレスリリースの発表は電子メールで行われます。 プレスリリースを出すだけでは、記者にストーリーを取り上げてもらえるよう売り込めるわけではありません。メールでお知らせすることで取り上げてもらえるようお願いできます。 プレスリリースは、その後記者がストーリーを取り上げるのを助けるために、情報を提供するものです。

ストーリーを取り上げられる機会を増やす、つまり掲載される可能性を高めるためにメールの内容はより記者個人の関心に沿ったものにしましょう(メールの書き方に関しては、こちらの記事をご参考にしてください:メールマーケティングの秘訣)。

記者とキーワードで検索し、自分たちの事業領域の関心がない記者には連絡しないようにしましょう。 あなたは一通のメールで記者を惹き付けなければいけないので、素人のようではいけません。 最初のメールで正しく記者をつかまえる必要があります。 メールの例は以下のとおりです(このメールに対し、メディアが報道したものがこちらになります)。

あなたの「メディア掲載戦略」を定義する

ここまでで、プレスリリースとメールでの告知の準備ができました。さて次は何が必要でしょうか。プレスリリースを世界に発信する前に、包括的に報道されるべきなのか、それとも独占的に情報を発表したいのかを検討すると良いでしょう。

包括的な報道を選んだ場合、つまり、できるだけ多くの記者にあなたのプレスリリースを送る場合、起業家は記者に報道解禁日を守ってもらえるようお願いし、掲載を調整します。これは、記者やメディアが設定された時間または日付より前に、あなたの発表について公開しないと同意することを意味しています。

あなたがピッチする場所によって、これは難しいことがあります。 例えば、イギリスのジャーナリストは、報道解禁日を了解済みのものとしてみなすので、ほとんどの場合は単にリリースの上に報道解禁日を書いておけば問題ありません。しかし、米国では常にそうだとは限りません。もし守ってもらえるか不確かなら必ず最初に、情報解禁日に同意するよう頼みましょう。頼んだとしても確実なものではないので、独占としてストーリーを提供するほうが良い選択肢かもしれません。

独占記事

競合他社よりも先にストーリーを公開しようとしている記者には、「独占記事」という言葉はとても魅力的のものでしょう。 本質的には、独占記事は、特定のメディアが、あなたが他のメディアに情報を渡す前に、一番最初に公表する権利を有することを意味します。

報道解禁日が守られているかどうかに関わらず、これはメディア領域において特に有用な戦術です。 報道解禁日が解除される前に、ジャーナリストが、ストーリーを掲載してしまうのを防ぐことができます。

発表を独占記事として提供するメリットはいくつかあります。

  1. より大きなメディア、例えば TechCrunchとVentureBeatのようなメディアは、あなたがネタを独占的なものとして提供する場合、あなたのプレスリリースを真剣に扱う(そしてそれを取り上げる)可能性はより高くなるでしょう。
  2. 作者の死:フランスの哲学者、ロラン・バルトが提唱した「作者の死」という主張はまさしく的を得ていました。記者は記者同士で裏取りしあっているので、特別に独占的にネタを提供したとしても他のメディアもそれに続き取り上げるでしょう。
  3. より規模の大きいニッチなメディア(この場合、テック業界の専門誌など)に掲載されることで、新聞やよりメインストリームに近いメディアで取り上げられやすくなります。 俗にいうように、目標は高く設定し行動は小さなとこからということでしょう。

記者の連絡先を探している場合は、こちらから(アメリカの主要テックメディアやビジネスメディアの)記者のメールアドレスのリストをご覧になれます。そして今回、私たちの記者データーベースを特別に500 Startupsのブログをご覧になっている皆さんに提供したいと思います(アクセスするにはinfo@publicize.coと記入してください)。

メディアへの掲載を増やす

記事がオンラインに公開される際には、文章を書いた記者は掲載されることを事前に教えてくれるはずです。それを合図に、次の行動の準備をしましょう。

ソーシャルメディアのアカウントを持っている場合は、そこで掲載されたことを共有しましょう。 投資家、顧客、従業員、さらには両親にストーリーを送り、彼らもソーシャルメディアのアカウントを通じて共有くれるよう求めましょう。

その後、プレスリリースとそのストーリーのURLを他のメディアにメールしましょう。これはあなたの発表に気付いてもらえるようにする良い方法ですが、見せつけるような印象を与えないように注意してください。 結局のところ、彼らの競合メディアに独占的にネタを渡したということがほぼ推測できてしまうからです。 このような場合には、CEOや創業者の時間を他の大規模なメディアにも提供すると提案するのも良いかもしれません。

よく食べ、よく寝て、よくメディア。これを繰り返す

(残念ながら、)メディアに取り上げてもらうという仕事に終わりはありません。
発表が成功した場合、あなたのスタートアップやビジネスは、その規模を問わずいくつかのメディアに紹介されているのは間違いありません。

自分の労をねぎらい、気を取り直して、次の発表のために動き始めましょう。 プレスリリースは、メディアサイクル(定期的にメディアに取り上げられること・その周期)を確立するのに役立つでしょう。このメディアサイクルは、理想的には8-12週間ごと、もしくは何か発表するたびに繰り返されるものです。

Conrad Egusa氏はPRとメディアを専門とし、PublicizeのCEOで、500 Startupsのメンターも務めています。彼はTechCrunchやForbesといったメディアに定期的に寄稿しています。シリコンバレーでエンジェル投資家から調達し、スタートアップを立ち上げた後、VentureBeatのライターとしても活躍していました。

原文記事

500 Startupsは、神戸市とパートナーシップを結び、本格的なアクセラレーションプログラムである「500 Startups Kobe Pre-Accelerator」を昨年開始しました。そして今年はさらにパワーアップしたプログラム「500 Startups Kobe Accelerator」を開催します。世界的アクセラレーターによる支援を日本国内で受けられる、貴重なプログラムとなっています。詳細と応募はこちらから

吉澤美弥子

慶應義塾大学看護医療学部卒業。在学中に海外のヘルステック企業やデジタルヘルス企業に関して取り上げる、HealthTechNewsを立ち上げ、2016年売却。外資系証券会社の株式リサーチ部で、TMT市場に関わる調査アシスタントなどを経て、500 Startups Japanに参画。

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