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ベンチャーキャピタリストにとっての戦略的投資とは?

事業会社の投資家は、財務的な理由よりも戦略的な理由に基づいて投資する傾向にあることは、多くの方がご存知だと思います。投資から収益を得ることも大事ですが、彼らが主に求めているのは、自分たちの組織の目標達成に資する、その他の何らかのメリットなのです。

実はベンチャーキャピタリストも、戦略的な理由に基づいて投資をする時があると知って、驚く方も多いのではないでしょうか?いくつかのケースを、以下にご紹介します:

ロゴを得るための投資

設立間もないVCが、ホームページのポートフォリオ・ページに人目を引くロゴを掲載したいケース。こうしたVCは多くの場合、「投資をした」と言えるように、大規模ラウンドで少額投資をするだけか、通常より遅いステージで投資をします。

将来の投資機会を得るための投資

逆に、VCが普段より早いステージで投資をするケース。この場合、ほとんどのVCは、その企業に好印象を抱いているけど、より多額な投資をするほどの確信をまだ持てていません。最もよくある例は、シリーズA投資家がシードラウンドに数千万円前半の投資を行う場合です。これは、彼らにとっては本当の投資ではありません。1)シリーズAでの投資を行う権利、および、2)時間をかけて会社のことをよく知る権利、を購入しているのです。

勉強のための投資

投資家は時折、ゆくゆくはその分野により大きな投資をしたいという思いをもって、もっと勉強したい分野に少額投資をするケースがあります。最近では、暗号通貨やAIが良い例かもしれません。

マーケティングのための投資

VCのポートフォリオは、いろいろな意味でそのVCの顔です。例えば、SaaS企業にたくさん投資すれば、SaaSに力を入れているとみなされ、より多くのSaaS企業がコンタクトしてきます。VCは時々、ディールを引き寄せるために、投資をしたいと思っている分野にいくつも投資するケースがあります。勉強のための投資や将来の投資機会を得るための投資と同様に、後からより多額な投資をすることが多いです。

これらの中には合理的ではないと感じるケースもあるかしれませんが、実際は多くの場合、こういった戦略が意外と有効なのです。このような投資で、VCは時には財務的に損をすることがあるかもしれませんが、ベンチャー投資全般と同様に、時には非常に大きなリターンを得られることがあるものです。

このように書くと、「私たちの会社もその戦略的投資のひとつなのか?」と思う私たちの投資先の起業家もいるかもしれませんので私たちの場合を少し説明しておきましょう。私たち500 Startups JapanではシリーズA以降で初期投資を行ったことはありませんので、「ロゴを得るための投資」をしたことはありません。また、私たちは特定の事業領域にフォーカスしていないので、「勉強のための投資」や「マーケティングのための投資」もありません。しかし、「将来の投資機会を得るための投資」は行っています。 私たちは時にアイディアだけのような状態の非常に初期のステージのスタートアップにも投資します。 初期段階の企業に小額を賭けることで、起業家にプロダクトとチームを構築する機会を与え、その過程を知ることで私たちはより深く彼らを知ることができます。 そして、プロダクトとチームの両方に信頼と確信があるときは、5000万円から1.5億円を追加で投資しますし、非常に稀なケースでは、15億円のSPVファンドを組成して投資することもあるというわけです😎

 

James Riney

Managing Partner & Head, 500 Startups Japan

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