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創業者間で、株式を分ける際に検討すべきこと

創業メンバー間で最も気を使う話題は、株に関するものです。その理由の一つは、感情が私たちの判断に強く影響すること、そしてもう一つは、私たちが当初公平だと思っていることの解釈がしばしば誤っているからです。そのときに公平だと思っていることが、後から完全に不公平になってしまうこと、そしてその逆もよくあります。

一見、簡単な問いに聞こえるかもしれません。すなわち、会社に対する各創業者の価値に応じて持株比率が決まります。しかし、「価値」とはとても主観的なものです。各創業者の貢献度合いや状況に関する認識は、時間とともに変わっていきます。

アンバランスな持株比率はしばしば、メンバー間での緊張、不満およびモチベーション低下に繋がります。そのため、正しく株式を分けることは、チームの耐久力や成功にとって極めて重要です。こうした会話を建設的に乗り越えることができる創業者の能力は、将来困難に直面したときの対応力を予見させる場合が多いです。

いつ株式を分けるべきか

直感に反するかもしれませんが、株式に関する会話を先延ばしにすることは、スタートアップ初期では道理にかなっていることです。長い付き合いをしていない場合、そして、どのように互いがベンチャーへ貢献するのかを完全に把握できていない場合は、会話を数ヶ月先延ばしにすることによって、十分な情報に基づいた決断をする柔軟性を得ることができます。

その一方で、早いうちに決断をすれば、より落ち着いた状況で決断をすることができます。一旦、プロダクト開発にとりかかり始めたり収益を得たりしてしまうと、株式にかかってくる意味合いがどんどん大きくなります。投資家があなたの企業を高く評価すると、状況はさらに複雑になります。部外者が勝手に「あなたの会社の価値は3億円です」と言っているようなときには、交渉のダイナミクスは相当変わってきます。

もし、共同創業者が、アイディアを思い付いたり自己資金を出資するなどして、早い段階で貢献しているのであれば、創業後早いうちに決断した方が良いかもしれません。しかし、プロダクトの開発など将来的に貢献をする共同創業者は、こうした協議を延期しても良いでしょう。残念ながら、この2つはいつも相容れません。大事なことは、このような状況を理解した上で適正なバランスを取ることです。ただし、どんな場合でも、資金調達をする前に持分比率を決定すべきです。

どのように株式を分けるべきか

意見のばらつきが大きいので、これは答えるのが最も難しい問題の1つです。会社への貢献を正しく反映していないので、株式は決して等分してはならない、と主張する人も多くいます。しかし、もし創業者みなが同じぐらいの時期にフルタイムでコミットしているのであれば、共同創業者3人までの間でほぼ等分割すること自体は、全く公平といえる私は個人的に思っています。しかし、状況や意見にばらつきがあるので、ご自身の状況に当てはめて考える場合には、以下の点について検討するとよいどうでしょう。

CEOの取り分は多くなりがちです。特に日本では、CEOの取り分がかなり多くなりがちです。このギャップを縮めるべきだ、と私は個人的に思っています。技術担当の共同創業者には、多くのインセンティブを与えるべきです。とは言え、CEOは最終決定権を維持すべきです(例えば、51%対49%など)。

共同創業者は、今後どれくらいの給与を望んでいますか?初期のタイミングは特に、給与と持株比率が逆の相関関係を持つべきです。

公平さと信頼感は、株式を多く持つことよりも大事です。欲張ってはいけません。モチベーションが高い強い団結力のあるチームがなければ、あなたの株は無価値になってしまいます。

最後に、株式を分けてしまうことが唯一の方法ではないことを覚えておいてください。ベスティング(Vesting)という方法もあります。ということで、次のセクションに進みましょう。

どのように最悪の事態に備えるか

チームを抜けて会社員に戻ることを決めたメンバーがいる場合はどうなるのでしょうか?または、子供が産まれたので、今までほど時間をコミットできないという場合は?あるいは、互いがもう我慢ならない場合は?1年しか経っていないのに、とある人が持分の40%をかっさらってしまうような状況は避けたいものです。スタートアップという戦場は地雷だらけなので、最善の結果を願いつつも、最悪の事態に備えておく必要があります。

そのためには、全ての創業者がベスティングをすべきです。つまり、いずれの創業者も、割り当てられた持分を毎月「稼ぐ」ようにすべきということです。シリコンバレーでのスタンダードは、「4年間のベスティング、1年のクリフ」です。このような取決めをした場合、もし会社の持分40%を割り当てられているのであれば、毎月1/48ずつ(持分の0.83%)を稼ぐことになります。ただし、1年未満に退職すると何ももらえないという条件もついています(これをクリフと呼びます)。ベスティングのスケジュールは、投資家が創業者に課すものだと思っている創業者が一部にはいるようです。しかし、価値ある会社を育てるには7年から10年かかることを忘れてはいけません。つまりベスティングをすれば共同創業者が、少ししか働かずに去ったとしても、会社のその後のアップサイドすべてを享受してしまうことを防げます。

(澤山による注記)上記の説明はあくまでべスティングの概念についてのものであり、実務としては、株式に対してはリバースべスティング(退職者の持株を会社または他の共同創業者が買い取れる権利がついているが、その対象から除外される持分が年月に応じて増えていく)で実現することが一般的です。なお、リバースべスティングや創業株主間契約については、ココナラCEO/Co-Founderの南さんによるブログポストBizLawInfo.jpのVestingに関するポストなどで勉強の上、法務・税務アドバイザーと相談の上で締結することをおすすめします。


理想を言えば、持株比率は創業者の長期的な貢献度合いに比例すべきです。とは言え、その時々に、各創業者の貢献度合いが変動するのは仕方ないことです。最も重要なのは、時を経てもフェアであったという感覚を共有していることでしょう。株式を公平に分けているチームは、誰かが一人勝ちするチームよりも長く持続する傾向にあります。なので、熟考してからこの決断をしてください。あなた自身の会社であれば、人生で最も重要な決断の1つになるでしょう。

James Riney

Managing Partner & Head, 500 Startups Japan

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