Seamlessgov Lp

日本のGovtechスタートアップを探しています

先日、Govtech Fundのファウンディング・パートナーであるRon Bouganim氏のポッドキャストを聞いてみました。元々Govtechには興味があったものの、日本ではまだ行政向けのサービスに取り組む強いチームに出会ったことがなく、残念ながら未投資の分野だったので、そのポッドキャストはとても興味深いものでした。それもそのはず、行政を顧客にするには超人的な努力が必要だからです。行政たるもの、遅くて非効率で官僚的なのが当たり前です。そのため、販売サイクルは長く、費用も高く、不透明です。B2G(business-to-government:企業対行政間取引)のスタートアップを始めようとする人は、ボディビルダーのようなマゾヒズムとお釈迦様のような忍耐力を併せ持つ者でなければなりません。

とは言え、このように参入障壁が高いことは良いことでもあります。他社はその市場に見向きもしないでしょうし、市場参入できるほどの強みがあるということは他社の追随を許さないという意味でもあります。あなたにとって参入が難しいということは、追随しようとする他社にとって参入がもっと難しいということです。多くの投資家は、参入困難な市場をすぐさま投資対象外としてしまいがちですが、それでは短期的な視点すぎると私は思っています。参入困難な市場に優れたチームが挑み、そのスタートアップが成功した暁には、市場を独占できることになります。つまり、市場シェアを占有し、ほぼ難攻不落な状態になるので、それはまさに理想です。だからこそ、私たち500 Startups Japanは、市場参入が難しい物流、保険やヘルスケアなどの市場に投資をしてきました。市場参入が厳しいと理解した上で、参入できるほどの強みを持つチームを支援してきました。彼らにしか出来ないことだと、私たち500 Startups Japanは信じています。

対行政ビジネスのもう一つのメリットは、とにかく市場規模がとてつもなく大きいことです。日本の行政機関は約332万名(平成29年度の国家公務員数と地方公務員数合計)を雇用しており、日本のどの企業よりも規模が大きいです。この数字は、まさに行政の非効率を象徴しているかもしれません。しかし、テクノロジーに対する行政支出は、これまた無視できない規模です。毎年、国家予算で約1兆円、地方自治体予算で約7000億円をテクノロジー投資に支出しています(2015年財務省主計局公開データ)。なのに、行政関連のテクノロジーに感動をした者は皆無なのではないでしょうか。なぜならば、支出のほとんどが、1年以内に陳腐化する高額なカスタム・ソフトウェアを制作するシステム・インテグレーターに支払われているからです。

Govtechに流れが来ていると感じるもう一つの理由は、タイミングにあると思います。日本政府のとりわけトップ層の方々は、以前よりスタートアップと積極的に関わるようになってきました。また、APIを採用してペーパーレスを図るイニシアティブもあります。日本でもクラウドサービス全般の導入が加速しており、SaaSもメインストリームな言葉になってきました。スタートアップ界に進出する方々のタイプも変わりつつあります。伝統的な産業で輝かしいキャリアを持つ方々がそれを捨て、起業したりスタートアップに入社することが増えています。これがなぜ重要なのかというと、伝統的かつ参入が難しい業界に参入するには、経験、ネットワークと信頼が必要だからです。こうした要素を併せ持っていれば、Govtechに参入するチャンスがどこかにあるのではないかと信じています。

私個人としては、アメリカのSeamlessGovに似たプロダクトを作ってくれるような方を探しています。これは地方自治体をペーパーレスにするSaaSソリューションです。行政がPDFの書類をアップロードすれば、クラウドベースの書類が自動的に複製されます。このプラットフォーム上で支払いや電子署名を完結することもできます。許認可やその他の申請をシームレスに管理することができます。市民の要請や彼らとのやり取りを管理する”Government Relationship Manager”(GRM、行政関係管理者)もいます。区役所・市役所での煩雑なやり取りを経験した者であれば、日本におけるこのサービスの展開がどれだけ革新的であるかがすぐに分かるはずです。

Govtech向けのスタートアップを検討している方がいらっしゃいましたら、ぜひご連絡ください

James Riney

Managing Partner & Head, 500 Startups Japan

500の投資先で働いてみませんか?Apply Now
Search